1998年度

Nucl.Sci.Eng.


26902
Measurements of neutron spallation cross sections of 12C and 209Bi in the 20- to 150-MeV energy range
E. Kim*・中村尚司*・紺野敦子*・上蓑義明*・中西紀喜*・今村峯雄*・中尾徳晶*・紫田誠一*・田中進
Nucl. Sci. Eng. 129(3), p.209-223(1998);(JAERI-J 15852)

 12Cと209Biの中性子核破砕断面積は20から150MeVのエネルギー領域のp-7Ni準単色中性子場で測定された.照射実験は東大核研(INS),原研高崎研(TIARA),理研で行われた.中性子スペクトルはTOF法で測定され,単色中性子ピークフルエンスの絶対値はTIARAでは反跳陽子カウンターテレスコープで,INSと理研ではLiターゲットの放射化法で測定された.本研究では12C(n,2n)11Cと209B(n,xn)(x=3,12)反応の断面積を求め,得られた実験値は他のグループの実験値やENDF/B-VIデータと比較を行った.比較の結果,我々の実験値は他のグループの実験値やENDF/B-VIデータとよく一致している.本論文で述べられている20MeV以上での209Bi(n,xn)反応と40MeV以上での12C(n,2n)11C反応データは,今まで存在しなかった初めての実験値である.また,209Bi(n,xn)(x=3,12)反応は高エネルギー中性子スペクトロメータとして応用できると考えられる.


26718
Measurements of tritium and 14C production cross sections for 14. 7-MeV neutrons on 17O and 18O
Y. M. Verzilov*・池田裕二郎・前川藤夫・大山幸夫・D. L. Smith*
Nucl. Sci. Eng. 129(1), p.81-87(1998);(JAERI-J 15703)

 中性子エネルギ14.7MeVでの17O(n,α)14C,18O(n,n'α) 14C,17O(n,t)15N及び18O(n,t)16Nの断面積を強力D-T中性子源FNSを用いて世界で初めて測定した.17O及び18Oを同位体濃縮した水を試料としてD-T中性子照射後に生成した3H(トリチウム)及び14Cの放射能を液体シンチレーション計数法で測定した.照射中及びシンチレーション試料作成時の14Cの損失について定量的に評価した.93Nb(n,2n)92mNb反応断面積を基準として求めた各反応断面積は,18.0±3.3,35.4±6.5,0.82±0.15及び26.8±4.9mbであった.今回得られた新たな測定データに基づき原子番号が10以下の軽核を対象とした(n,α)及び(n,t)反応の14MeV領域での系統性について検討した結果,明確な原子番号依存性が存在することが明らかになった.また,最近の放射化断面積ライブラリーの評価値と比較した結果,評価の過大並びに過小が著しいことが示された.


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