1998年度

Phys.Plasmas


26639
Recent experimental and analytic progress in the Japan Atomic Energy Research Institute Tokamak-60 upgrade with W-shaped divertor configuration
白井浩・JT-60チーム
Phys. Plasmas 5(5), p.1712-1720(1998);(JAERI-J 15636)

 本年6月に完了したJT-60Uのダイバータ改造後の実験の進展について報告する.ダイバータ排気付きW型ダイバータに改造したことにより,不純物制御,熱制御性能が向上した.ヘリウムビーム入射によるα灰排気模擬実験では,ダイバータ排気により,プラズマ内の滞留ヘリウムを低濃度に抑えることに成功した.またELMy Hモード実験では,9秒間に及ぶ積算203MJのNBI加熱エネルギーにもかかわらず,重水素のリサイクリングや炭素不純物の増加を伴うことなく,良好なエネルギー閉じ込め改善度1.7を保持した.負磁気シア配位プラズマでは,内部輸送障壁形成後のNBIパワー抑制により,ディスラプション発生を回避し,4秒以上エネルギー閉じ込め改善度1.7のELMy Hモード状態を維持した.また負磁気シア配位で,内部輸送障壁において発生するドリフト波不安定性が,プラズマ回転による電場形成で抑制されることを明らかにした.


26329
Convective amplification of wake field due to self-modulation of a laser induced by field ionization
加藤進*・岸本泰明・コーガ
Phys. Plasmas 5(1), p.292-299(1998);(JAERI-J 15378)

 トンネルイオン化を考慮した粒子シミュレーションを用いて,レーザー光が航跡場を励起するための条件[レーザーのパルス幅:L(laser)<=プラズマ波の波長:1(plasma)]を満足しない場合において,イオン化で自己変調を受けた高強度レーザー光によって,大振幅の航跡場が励起・増幅されることを見出した.イオン化による急速なプラズマ生成時の密度勾配と一緒にレーザーパルスが伝播することにより,パルスの先端が徐々に急峻になることで,この変調は特徴づけられる.その結果として,航跡場は伝播に伴って増幅され,大振幅となる.イオン化を伴うレーザー光の伝播では,大きさの大小はあるが,プラズマ波のこの増幅は常に起こる.


26328
Ideal magnetohydrodynamic instabilities with low toroidal mode numbers localized near an internal transport barrier in high-βp mode plasmas in the Japan Atomic Energy Research Institute Tokamak-60 upgrade
竹治智・鎌田裕・小関隆久・石田真一・滝塚知典・閨谷譲・徳田伸二
Phys. Plasmas 4(12), p.4283-4291(1997);(JAERI-J 15377)

 高ポロイダルベータ(βp)モードは,内部輸送障壁に起因する閉じ込め改善モードである.内部輸送障壁は,その内側の閉込め特性を著しく改善する一方で,その近傍で強い圧力勾配を形成するために,局所的な不安定性の原因となることがわかってきた.このことは,プラズマ内部の局所的な圧力・電流分布がプラズマ安定性に極めて重要であることを示している.本論文では,内部輸送障壁近傍に局在する不安定性(BLM)の実験解析・数値解析を行い,その発生機構の解明を試みた.実験解析の結果は,BLMが局在した理想低トロイダル数(n)キンクモードであることを示唆した.MHD安定性数値解析の結果,内部輸送障壁による局所的な圧力勾配とそれに伴うブートストラップ電流の効果により,内部輸送障壁近傍に局在する理想低nキンクモードが存在し得ることを発見した.これらにより,BLMを同定しその発生機構を解明した.


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