1998年度

Proc.of 11th Symp.on Accelerator Sci.and Technol.


26428
Beam loss monitor system for the JAERI superconducting RF linac-based FEL
峰原英介・田中英一*・杉本昌義・沢村勝・永井良治・菊澤信宏・西森信行
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., p.444-445(1997);(JAERI-J 15459)

 原研FEL施設のX線及びγ線量を根本的に下げるために,原研超伝導リニアックのビームラインに沿って20個程度のビーム電流の損失モニタを並べた.予備的な結果は運転中の放射線量率を数分の1から数十分の1に減少させ得ることを示した.ビーム電流の損失モニタである放射線検出器は安価で入手の容易な浜松ホトニクス社製PINホトダイオードとチャージセンシティブアンプを用いている.バイアス電源は内蔵電池,アンプ電源はノイズの少ないものを選んだ.この検出器はBGOやCslシンチレーターを用いて感度を上げることも可能である.このシステムの検出器と監視方法についても議論する予定である.またビームロス及びこれに派生した逆流ビームに起因するX線の分布についても報告し議論する.


26430
A Compact closed loop 2K He3 refrigerator and zero-boil-off cryostat design for the JAERI superconducting RF linac-based FEL
峰原英介・杉本昌義・沢村勝・永井良治・菊澤信宏・西森信行
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., p.236(1997);(JAERI-J 15461)

 原研自由電子レーザーは,現在原研独自の無蒸発型の4K冷凍機を組み込んだ超伝導リニアックを使用している.この世界最大の無蒸発型冷凍機システムは,(1)冷凍機の有害な振動,(2)冷却温度の下限(4K),(3)冷凍能力の上限(20W),(4)低い熱効率という4つの欠点を持っている.これらの欠点を以下の方策で解決を図ってきた.(1)は,無振動冷凍機の採用と防振の工夫による振動の低減を図っている.(2)は,He3ガスを動作流体として,超流動を発生させずに2K以下への冷却温度下限の延伸を図っている.(3)は,熱効率が極大となる単位冷凍機当たりの冷凍能力(4.2Kにて10W程度)を単位として冷凍能力の増加を図っている.(4)は,低温部での比熱の低下を補う磁性蓄冷材を用いて熱効率の改善を図った結果,大型液化器と同等の熱効率が達成された.


26587
RF signal optimization for beamloaded accelerator control
M. Chernogubovsky*
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Science and Technol., p.221-223(1997);(JAERI-J 15600)

 トランジェントなビームにより励起される共鳴空洞中の電場の解析結果を用いて,所要高周波電力を最小とするような制御信号の構成方法を導いた.最適化にあたり,制御信号の実装がより簡単であり,与えられた電場の許容誤差のもとで高周波システムとして必要となる周波数バンド幅を最小にするという条件を同時に考慮した.また,加速チャンネルの最適設計方法についての知見も得た.


26586
Concept of the IFMIF accelerator system
杉本昌義・金正倫計・川合将義*・M. Chernogubovsky*
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Science and Technol., p.127-129(1997);(JAERI-J 15599)

 この2年間,国際核融合材料照射施設(IFMIF)の概念設計活動が実施され最終報告書が完成した.概念設計の内容については次のステップに向け,国内及び国際的枠組みで評価を実施していく予定である.IFMIF加速器システムは250mA,40MeVの重電子ビームを供給するために入射器,RFリニアック,高エネルギービーム輸送系等から構成される複雑な系であり,その全体的な挙動を解析するにはサブシステムごとにダイナミカルモデルで近似する手法が有効である.


26429
Long pulse operation of the JAERI superconducting RF linac for FEL
峰原英介・杉本昌義・沢村勝・永井良治・菊澤信宏・西森信行・田中英一*
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., p.120(1997);(JAERI-J 15460)

 原研自由電子レーザー用超伝導リニアックは,中性子発生を少なくするために14〜18MeVの電子エネルギーでの加速を行っている.通過率は主加速器及びアンジュレータでそれぞれ概略100%を得た.損失ビームの低減と逆流ビームの影響を低くするため,また管理区域境界での放射線レベルを低減するためロスモニタによる最適化を行った.また昨年より電子銃(パルス電流,幅,加速電圧)及び高周波電源(位相振幅)の1ms長時間安定性を確保するために種々の改善を行った.現在,エネルギー分解能は前段及び主加速器直後でそれぞれ<3%と<0.5%である.またストリークカメラによる時間巾の計測を行ったところアンジュレーター中心で<20psであった.尖頭電流値は20〜10Aが得られた.また冷凍機系は昨年と同様に連続無故障運転中である.このため加速器は停電,故障等を除いて定常的に運転され,発振及び調整実験に使用されている.昨年度末に,間欠的な発振が確認された.システムの改善後に,より安定な大強度の発振実験を試みる予定である.


26431
Intense coherent bremsstrahlung light source utilizing compact electron accelerators
峰原英介・田中英一*
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., p.119(1997);(JAERI-J 15462)

 自由電子レーザーは,クライストロン等のマイクロ波の発振管の原理を可視光やもっと短波長の電磁波の発生に応用したものである.電子エネルギーは基本的には波長と直接的な電子ビームの関係式があり,厳しい制限を課しているが,アンジュレーター周期等を短くし,電子のバンチを波長程度に短くすれば小型の高出力電子加速器を自由電子レーザー駆動源として動作させることが可能である.発振させるためには,大電流が狭い空間に閉じ込められている必要があるが,これが満たされず,発振に必要な増幅率を確保できなくても有用な,強度の大きな,短波長の電磁波が利用できる.小型の高出力電子加速器を用いて,空間的または時間的に可干渉である遠赤外域から硬X線域までの広い範囲の電磁波を生成できることを議論し,この新しい光源を提案する.小型の高出力電子加速器は,電子ビームが高品質であることが必要であるので,具体的には20MeVから10MeV程度の超伝導リニアック及び静電加速器を想定している.アンジュレーターは,発生波長によって結晶格子,超格子及び通常型プレナーアンジュレーター等を利用することが可能である.


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