1998年度

材料


26812
中性子及びX線法によるSiC粒子強化アルミニウム合金の相応力測定
秋庭義明*・田中啓介*・竹園拓也*・林眞琴*・森井幸生・皆川宣明
材料 47(7), p.755-761(1998);(JAERI-J 15782)

 炭化ケイ素粒子で強化したアルミニウム合金は,新材料として期待されている.複合材料の製造工程において,SiC強化粒子と母材アルミニウム合金の熱膨張係数の差による残留応力の導入はさけることが出来ない.そのため,複合材料中の粒子及び母材各相の応力を非破壊で測定し,応力と材料強度の関係を解明することを試みた.非破壊による残留応力測定はJRR-3ガイド棟に設置した中性子回折装置を用いて行った.その結果SiC相の負荷応力に対する相応力の変化率は,予測値に非常に近い値を得ることができた.今後有益な測定手段であることがわかった.


26491
中性子回折による残留応力測定装置の開発と炭素鋼曲げ塑性変形材の残留応力分布の測定
林真琴*・大城戸忍*・皆川宣明・森井幸生
材料 47(4), p.420-426(1998);(JAERI-J 15516)

 構造物内部の残留応力を測定するためには,中性子回折法が必要不可欠である.JRR-3中性子導管のT2-1ポートに応力測定を目的とした中性子回折装置を設置し,測定を開始した.一次元検出器を用いた計測システムにより1/100度の精度で回折パターンを得ることが出来る.この装置を用い,曲率半径40mmで曲げ塑性変形を加えた厚さ10mmの炭素鋼板材料の内部残留応力測定を行い,中央部内面から外面までの残留応力分布を求めた.その結果,内面と外面の板面における残留応力絶対値は120〜180MPaであることが分かった.今後亀裂の進展,余寿命の予測等が可能になると期待でき,材料工学,機械工学分野で中性子回折による非破壊残留応力測定は大きな役割を果たすと考えられる.


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