1998年度

情報処理学会論文誌


26421
数値計算のための並列計算機性能評価方法
折居茂夫*
情報処理学会論文誌 39(3), p.529-541(1998);(JAERI-J 15452)

 プログラムレベルからループレベルまでの性質を一環して評価する,数値計算のための並列計算機評価方法を提案する.この方法に使用するループの処理時間モデルの特徴は,理論最大性能flop/s等で規格化された効率を表す係数を導入し,ループレベルの性能評価を可能にした点にある.このループの処理時間モデルからプログラムの処理時間モデルを作成し,時間の測定によりモデル係数を決定し,プログラムレベルの性能評価を行うことができる.例として,この性能評価方法を粒子分割法で並列化した分子動力学プログラムに対して適用し,ベクトル並列計算機VPP300の性能を評価した.その結果プログラムの性能は,粒子数,プロセッサ数に加えて遮蔽距離と物理量の観測回数に依存していることがわかった.この性能評価方法は,計算機利用プログラム開発,計算機設計という3つの見地から成る性能評価を可能にする.


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