1998年度

The Role of Humic Substances in the Ecosystems and in Environmental Protection


26516
Speciation of Cs, Sr and transuranic elements in natural organic substances of surface soil layers
天野光・渡辺美紀*・小沼義一*・上野隆・松永武・N. D. Kuchma*
The Role of Humic Substances in the Ecosystems and in Environmental Protection, p.709-716(1997);(JAERI-J 15541)

 表層土壌天然有機物質中におけるCs,Sr及び超ウラン元素の存在形態を,化学的分画手法を用いて,チェルノブイル周辺の草原及び森林土壌について調べた.チェルノブイル周辺環境では放射性核種は,表層土壌天然有機物中に多く存在している.草原土壌ではPuはフルボ酸よりフミン酸画分に多くみられたが,Amはフルボ酸とフミン酸画分では同程度であった.SrやCsはこれらの画分にはほとんど存在していない.森林土壌では表層有機物の腐植の進んだ順に,AoL,AoF,AoH層についてPu,Am,及びCsについて調べた.その結果核種の存在割合は層によって変化し,腐植が進むにつれPuではおもに非晶質鉄酸化物画分と結合型フルボ酸画分に,Amでは粘土鉱物画分と結合型フルボ酸画分に多く存在する.Csは腐植が進むにつれヒューミンの画分が減少し,粘土鉱物画分が増加することが分かった.またCsではホットパーティクルの画分も依然多く存在していることも判明した.核種の移動性との関連についても論ずる.


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