1998年度

J.Synchrotron Rad.


26893
Shielding design calculation of SPring-8 beamlines using STAC8
浅野芳裕
J. Synchrotron Rad. 5, p.615-617(1998);(JAERI-J 15843)

 現在,原研・理研共同チームにおいて大型放射光施設スプリング8が建設され,共用されようとしている.本施設で得られる放射光ビームはかつてなかった程の大強度となり,ビームライン遮蔽条件も厳しいものとなる.そこで原研では,ビームライン遮蔽設計コードSTAC8を開発し,その妥当性の評価を行ってきた.今回,スプリング8ビームラインを建設するにあたり,STAC8コードを用いて遮蔽計算を実施した.ビームラインは,アンジュレータ,ウィグラー,ベンディング・ビームラインと3種類に区分され,それぞれ,直線偏光の影響,遮蔽壁の実効長さ及びビルドアップ効果が,散乱角度及び方位角度毎に評価され,局所遮蔽の有効な使用に適切な助言を与える知見を得た.


27059
Twin helical undulator beamline for soft X-ray spectroscopy at SPring-8
斎藤祐児・中谷健*・松下智裕*・宮原恒あき*・藤沢正美*・曽田一雄*・大門寛*・菅滋正*・室隆桂之*・上田茂典*・今田真*・原田英幸*・関山明*
J. Synchrotron Rad. 5, p.542-544(1998);(JAERI-J 16035)

 2つの円偏光アンジュレータを利用した軟X線ビームラインの建設を行っている.円偏光アンジュレータは5つのキッカーマグネットを用いて,同じ光軸上に左右円偏光を取り出すことができる.ビームラインは2枚の前置鏡,不等刻線間隔回折格子を用いた定偏角分光器,2枚の後置鏡により構成されており,1500eV以下の光エネルギー領域をカバーする.光線追跡計算の結果,使用するエネルギー領域すべてにおいて,エネルギー分解能104以上が得られることがわかった.実験ステーションでは,この高分解能光を用いて,高分解能光電子分光,内殻光吸収磁気円二色性,2次元光電子分光装置の建設も進めている.


26710
Soft X-ray beamline specialized for actinides and radioactive materials equipped with a variably polarizing undulator
横谷明徳・関口哲弘・斎藤祐児・岡根哲夫*・中谷健・島田太平・小林秀樹*・高雄勝*・寺岡有殿・林由紀雄・佐々木茂美・宮原義一・原見太幹・佐々木貞吉
J. Synchrotron Rad. 5, p.10-16(1998);(JAERI-J 15695)

 日本原子力研究所は,西播磨地区に完成した大型放射光施設(SPring-8)に,ウラン等のアクチノイド系列物質を含む非密封RI試料も取り扱うことができる,軟X線放射光ビームライン(BL23SU)を建設中である.本ビームラインの特徴のひとつは,ビームラインをSPring-8リング棟に接する形で建てられたRI実験棟まで延長し,このRI棟内に光電子分光装置等を設置してビーム利用実験を行うことである.光源として原研が独自に開発を進めてきた,直線偏光・左右の円偏光を任意に切り替えることが可能な可変偏光アンジュレーター(APPLEII)を,また分光器として不等刻線間隔型回折格子を採用し,またビームラインの各所にRIの飛散を防止・モニターするための機器(RIポートや連断バルブ等)を設けた.さらに通常ホールに化学・生物研究用ステーションも設置し,多面的なビーム利用を行う予定である.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(1998年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)