1998年度

生物物理


26813
中性子回折法によるリゾチームの機能研究
新村信雄
生物物理 38(4), p.167-169(1998);(JAERI-J 15783)

 中性子イメージングプレート及び中性子ラウエ法を併用することで,ニワトリ卵白リゾチームのデータ収集効率を従来の方式の10倍以上向上させ,それらのデータを解析し,リゾチームの全構造を解析することに成功した.(1)タンパク質を構成するすべての水素原子(960個)及び,タンパク質周囲の157個の水和水の水素原子の位置を決定することができた.(2)リゾチームの酵素機能は,35番目のグルタミン酸残基のカルボキシル基のプロトンが糖に移動し,52番目のアスパラギン酸残基のカルボキシル基が解離状態になっていて,糖の加水分解を促進させる機構が確認された.


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