1998年度

Proc.of Int.Conf.on the Phys.of Nucl.Sci.and Technol.


261069
Benchmark problems on transmutation calculation by the OECD/NEA task force on physics aspects of different transmutation concepts
R. P. Rulko*・高野秀機・C. Broeders*・若林利男*・佐々敏信・岩崎智彦*・D. Lutz*・向山武彦・C. Nordborg*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol. 2, p.1462-1469(1998);(JAERI-J 15989)

 マイナーアクチニドの消滅計算の現状を評価するために,OECD/NEAの科学委員会にベンチマークのタスクホースが組織され,MOX-PWR,MOX-FBR及び加速器駆動システムの3つのベンチマーク・モデルが提案された.日本,ドイツ,フランス,スイス,ロシアの各機関が参加し,計算結果が比較された.要約すると,keff,ボイド反応度,ドップラー反応度及び消滅率等の基本パラメータについて,FBRベンチマークの結果は相互に良い一致であり,PWRベンチマーク結果はFBRの場合より相互の一致が悪く,加速器炉の結果はバラツキが大きかった.これらの3つのベンチマーク計算結果の現状について報告する.


261065
Studies on burnup credit at JAERI
奥野浩・野村靖・須山賢也
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol. 1, p.742-748(1998);(JAERI-J 15985)

 はじめに日本における燃焼度クレジット導入状況を概観した.つぎに,日本原子力研究所の活動を燃料サイクル施設に現れる使用済燃料の臨界安全評価の立場から総括した.これらには,(1)使用済燃料組成データベースSFCOMPO,(2)核分裂生成物核種の効果を明瞭にする臨界実験,(3)モデル溶解槽の安全裕度についての数値的研究が含まれる.これらの事項を,日本の臨界安全ハンドブックとの関連で議論した.計算コード及びデータライブラリの検証も,さまざまな活動の中で進められた.最近開発した燃焼計算コードSWATを,日本の加圧水型原子炉中で照射した17×17型燃料集合体の照射後試験データに適用して検証した.さらに,OECD/NEA主催の燃焼度クレジット・ベンチマーク活動への参加,ARIANE計画への参加,核種量推定に対する反応度感度係数の新しい計算方法の提案,未臨界度測定を目的としたPWR使用済燃料の指数実験についても言及した.


261064
Applicability of design window search procedure using neural network to neutronics
久語輝彦・中川正幸
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol. 1, p.704-711(1998);(JAERI-J 15984)

 原子炉炉心設計においては,基本的な設計変数の最適な値を決定するため,通常,多数回のパラメータサーベイ計算を要する.この作業を支援するため,設計窓,すなわち設計基準や要求仕様を満足する設計変数の範囲を多次元空間において効率的に得る手法を開発し,核設計分野に応用した.本方法の原理は,解析コードにより得られた教師信号を階層型ニューラルネットワークに学習させ,それを解析コードの代わりに用いることによって計算時間の短縮を図るというものである.本研究では,ネットワーク構造及び教師データ個数が設計窓の推定精度に与える影響を調査し,本手法の信頼性・有効性を評価した.その高転換型重水炉の設計に適用した結果から,学習パラメータを適切に調整すれば,本手法は安定的に精度よく設計ウィンドウを決定できることを示した.


261068
International studies on burnup credit criticality safety by an OECD/NEA working Group
M. C. Brady*・奥野浩・M. D. DeHart*・A. Nouri*・E. Sartori*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol. 1, p.624-630(1998);(JAERI-J 15988)

 国際ベンチマーク計算グループにより6年間にわたり実施された臨界安全解析での燃焼度クレジット評価に関する計算法の比較結果及び結論をまとめた.12カ国から約20人が,ほとんどの問題に計算結果を提供した.加圧水型原子炉燃料に対する4つの詳細なベンチマーク問題が完了し,その結果をここに要約した.沸騰水型原子炉燃料についての計算結果もほぼ終了し,その燃焼度クレジットについての議論,混合酸化物燃料を含む追加のベンチマーク計算についての活動計画やその他の活動についても発表する.


261067
Introduction of model calculated β-ray spectrum to ENDF/B-VI fission products decay data file
片倉純一・T. R. England*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol. 1, p.438-443(1998);(JAERI-J 15987)

 米国の評価済核データファイルEMDF/B-VIの核分裂生成物崩壊データファイルに理論計算によるβ線スペクトルを導入した.核分裂生成物は短寿命核種が多く,崩壊データが十分でないものが多い.これらの核種に理論計算を導入し,応用で要求される完全性を満たすようにした.導入結果は,個々の核種のグロスな測定データや核分裂性核種の核分裂後のスペクトルと比較し,ENDF/B-VI理論計算を導入しない結果より,測定との一致が良いことが示された.


261066
Reactor benchmark testing for JENDL-3.2, JEF-2.2 and ENDF/B-VI. 2
高野秀機・秋江拓志・金子邦男*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol. 1, p.58-65(1998);(JAERI-J 15986)

 世界の3大核データファイル:JENDL-3.2,JEF-2.2とENDF/B-VIについて,現行軽水炉燃焼ベンチマーク及び軽水炉と高速炉の臨界実験ベンチマークを行い,各ライブラリーの核特性予測精度を評価した.燃焼ベンチマークは,三浜PWRの34GWd/t燃焼時の解析を行った.各ライブラリーとも比較的よい一致を示したが,U-232,Pu-236,Am-243等の生成量に大きな差が見られた.臨界実験ベンチマークでは,U-238非弾性散乱断面積核データ間の相違がkeffに及ぼす影響が大きく再評価が必要である.また,U-233炉心では,JEF-2.2とENDF/B-VIはkeffを過小評価した.


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