1998年度

第9回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS1998)


27104
アンペア級水素負イオン源の連続運転
奥村義和・花田磨砂也・宮本直樹*・宮本賢治・藤原幸雄・渡邊和弘
第9回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS1998), p.101-104(1998);(JAERI-J 16080)

 セシウム添加した体積生成型負イオン源を,20mA/cm2の電流密度,800mAの負イオン電流のもとで連続的に運転した.負イオン生成率は600mgのセシウムを入射し,プラズマ電極の温度を250-300℃に保持することによって4倍以上に高められるが,この状態を定常的に維持することに成功した.140時間の連続運転の後にセシウムの拡散量をICP質量分析法を用いて定量し,約90%のセシウムはプラズマ源中に保持され,プラズマ源から流出するセシウムの消費量は,3mg/時間以下と極めて少ないことがわかった.


27183
バイアスプローブによるMINI-ECRの多価イオン生成能力向上
齋藤勇一
第9回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 1998), p.7-10(1998);(JAERI-J 16152)

 多価イオンを利用することにより,TIARA400kVイオン注入器を用いてMeV級イオン注入を可能にするため,多価用ECRイオン源(MINI-ECR)の開発を行っている.MINI-ECRはおもに+2価から+4価程度のイオンを生成することを目的としているが,今後より多価のイオン生成を目指したイオン源開発のために,多価イオン増強法の一つであるバイアスプローブ法をMINI-ECRで試みた.また,マイクロ波発振器の出力を10Wから20Wに増加させたものを製作しアルゴンビーム引出テストを行った.これらにより多価イオンビーム電流の増加が得られた(例Ar8+:0.3μA→3.2μA)ので報告する.


27103
大電流水素負イオン源におけるビームレット相互作用の実験的研究
藤原幸雄・河合憲一*・花田磨砂也・北川禎*・宮本賢治・奥村義和・渡邊和弘
第9回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS1998), 6p.(1998);(JAERI-J 16079)

 多孔電極から多数のビームレットを生成加速する場合,空間電荷効果による斥力のため近接するビームレットは反発しあうものと考えられる.しかし,従来の正イオンビームの場合には,ビームレット自体の飛散角が大きいため,この効果が問題になることはなかった.ところが,発散角が小さく収束性に優れている負イオンビームの場合には,この影響が表面化し問題となる可能性が指摘されている.そこで,水素イオンビームのビームレット相互作用を実験的に調べたので,その結果を報告する.


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