2000年度

Physical Review A


280714
Origin of structures in the low-energy single-electron continuum in calculations for ion collisions from argon
Guly'as, L.*・Kirchner, T.*・白井稔三・Horbatsch, M.*
Physical Review A 62(6), p.022702_1-022702_5(2000) ; (JAERI-J 17663)

 3.6MeV/amu Au53++Ar衝突における電子放出に対する二重微分断面積をcontinuum distorted wave with eikonal initial state近似で計算した.最近低エネルギー電子放出スペクトルで観測された構造[Moshammer et al., Phys. Rev. Lett. 83, 4721(1999)]は,解析に用いられた標的原子アルゴンのHartree-Fock-Slaterポテンシャルの欠陥に起因することがわかった.電子交換相互作用をより厳密に取り込んだ最適化ポテンシャル法によりアルゴンを取り扱えば,そのような構造は現れない.


280713
Photorecombination of C4+ ions in low-lying resonance energy regions
Zhao, L.-B.*・市原晃・白井稔三
Physical Review A 62(2), p.022706_1-022706_8(2000) ; (JAERI-J 17662)

 Davis and Seaton [J. Phys. B2, 757(1969)]の厳密な連続−束縛状態遷移理論の枠組み内で,散乱行列に現れる積分のコーシー主値を直接評価することにより,低い共鳴光再結合断面積を計算する方法を開発した.必要な双極子行列要素は,結合チャンネルR-行列法に基づくコードで計算した.この方法の利点は,輻射減衰効果を正確に取り入れることができるために強い共鳴−共鳴遷移を伴う系にも応用できることにある.この考えのもとにKLL,KLM,KLN共鳴エネルギー領域におけるC4+イオンの光再結合断面積を計算し,シンクロトロン−ストレッジリングによる高精度の測定値,摂動的取り扱いによる結合チャネル法による計算値と比較した.本論文で得られた輻射減衰効果を取り入れた断面積は,これらの測定値及び計算値と良く一致した.しかし,輻射減衰効果を無視した断面積は,パラメータ化した双極子行列要素に基づく結合チャネル法による値より3倍大きいことがわかった.これらのずれの原因についても考察した.


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