2000年度

腐食防食協会第47回材料と環境討論会講演集


290149
硝酸溶液中でのジルコニウムの腐食疲労に与える応力繰り返し速度の影響
本岡隆文 ; 木内清
腐食防食協会第47回材料と環境討論会講演集 (C-207S), p.299-302(2000) ; (JAERI-J 17869)

 ジルコニウムの硝酸溶液中での腐食疲労き裂進展は,応力拡大係数を用いた評価においては大気中の場合と比較して加速進展しやすく応力腐食割れ感受性との関連性が示唆されている.この観点から,周波数・波形の評価は重要であると考えられる.本報では,3規定硝酸溶液中での応力繰返し速度の効果を,応力制御型の疲労試験機を用いた腐食疲労き裂進展速度の測定及び走査型電子顕微鏡を用いた波面解析から調べた.その結果,低応力拡大係数範囲では,繰返し速度が低下するほど,擬劈開状破面の割合が増加するとともに腐食疲労き裂進展速度が高くなっており,き裂の開口時間が長いほど,繰り返しSCCの影響を受けていることが明らかとなった.


290147
AE法を用いた硝酸溶液中におけるジルコニウムのSCCの検出
加藤千明 ; 木内清
腐食防食協会第47回材料と環境討論会講演集 (C-201), p.277-280(2000) ; (JAERI-J 17867)

 再処理施設では,高濃度の沸騰硝酸溶液を扱うため,機器材料の耐食性が問題となっている.特にジルコニウムを用いた溶解槽においては,応力腐食割れ(SCC)が大きな問題点となっている.そこで,ジルコニウム製溶解槽の寿命評価を行う必要がある.そこで,ジルコニウムのSCCのモニタリング手法として,アコースティック・エミッション(AE)法を検討した.その結果,AEの発生はSCCのSSRT法における割れ発生の進展挙動と良く対応しており,SCC感受性の高くなる高濃度硝酸側ほど,顕著なAE発生傾向を示した.


290148
高清浄度化したNb合金及びオーステナイト系ステンレス鋼の高温高圧水中における腐食挙動
猪原康人* ; 井岡郁夫 ; 深谷清 ; 木内清 ; 黒田雄二* ; 宮本智司*
腐食防食協会第47回材料と環境討論会講演集 (B-204), p.177-180(2000) ; (JAERI-J 17868)

 超高燃焼度炉に対応した燃料被覆管用材料として,電子ビーム(EB)溶解法を用いて高清浄度化したNb合金及びオーステナイト系ステンレス鋼を開発した.これらの材料に対し,超臨界水環境を含む高温高圧水中における腐食挙動を調べ,現用ジルカロイ等と比較した.ステンレス鋼試作材は,EB溶解法とSAR処理により,熱時効に対して十分な粒界腐食抵抗性と中低温機械的強度を示した.また,高温高圧水中における腐食試験ではほとんど腐食せず,現用ジルカロイに対して十分な耐食性を示した.Nb-Mo合金は,純NbやNb-W合金よりも高温高圧水中における酸化量が少なく,ジルカロイと同等の耐食性を示した.これは,超臨界水前後の高温度域において顕著であった.


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