2000年度

海洋調査技術


290241
海中航行観測船へ超小型原子炉の利用
楠剛 ; 藤本博巳* ; 永田豊* ; 高橋照雄* ; 石田紀久
海洋調査技術 12(2), p.1-10(2000) ; (JAERI-J 17929)

 地球温暖化等に代表される全球的な気候変動現象の解明のためには,地球の大気・海洋の相互作用による気候システムの理解が不可欠と考えられる.気候システムにおいて,気候変動の影響は,特に北極域で強く現れると考えられており,気候変動現象を予測するためには,前兆現象として北極海での大気・海洋の観測か必要である.本報告は,北極域海洋の表・中層の海中構造を観測するための設備として,無酸素で燃料補給の必要がない原子力を動力源とする海中航行観測船をとりあげ,その概念及び搭載する超小型炉の概念を提案する.まず,観測環境・観測内容から,船体の基本仕様と性能を測定した.次に動力源として超小型炉への要求性能を導いた.超小型炉への要求事項は,安全性の確保,運転設備も含めた小型・軽量化,及び運転操作の自動化である.これらの要求事項を満たす超小型炉を採用した安全性の高い観測船の概念を確立した.


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