2002年度

Nuclear Science and Engineering


310135
Mechanisms of positive temperature reactivity coefficients of dilute plutonium solutions
山本俊弘 ; 三好慶典
Nuclear Science and Engineering 142(3), p.305-314(2002) ; (JAERI-J 19779)

 希薄プルトニウム溶液における正の温度反応度係数について摂動論及び四因子公式に基づき考察した.溶液燃料の温度係数は,随伴中性子束またはηf値が0.05eVから0.2eVの範囲で中性子エネルギーとともに上昇する場合に正になる.Pu-239に比べてPu-241は,その捕獲断面積のエネルギー依存性ゆえに,プルトニウム溶液の温度係数を正にする傾向を持つ.Pu-241が時間とともにAm-241に崩壊するにつれて溶液の温度係数はより正の方向に変化する.ホウ素やガドリニウム等の中性子吸収材のおおかたは,エネルギー上昇とともに0.05eVから0.2eVの範囲で捕獲断面積が減少するために,可溶性毒物として用いるとより濃度の高いプルトニウム溶液に対しても温度係数が正になる.例外的に,カドミウムやサマリウムは,希薄プルトニウム溶液に溶解しても温度係数を負に維持することができる.固定吸収体は,その吸収特性如何に関わらず,一般的に温度係数を負にする傾向を持つ.


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