2002年度

Journal of Applied Physics


310056
Optimization of the silicon oxide layer thicknesses inserted in the Mo/Si multilayer interfaces for high heat stability and high reflectivity
石野雅彦 ; 依田修
Journal of Applied Physics 92(9), p.4952-4958(2002) ; (JAERI-J 19720)

 Mo/Si多層膜界面にSiO2層を挿入することにより,Mo/Si多層膜の耐熱性は大きく向上するが,Mo/Si多層膜が高い反射率を示す波長13nm近傍の軟X線領域では,酸素によるX線の吸収が大きいため,SiO2層を挿入したMo/Si多層膜の軟X線反射率は減少する.そこで,高い耐熱性をもつMo/SiO2/Si/SiO2多層膜に対して,軟X線反射率の向上を目的にSiO2層厚の最適化を行った.600℃までの熱処理に対する構造評価と,軟X線反射率測定の結果,Si-on-Mo界面に0.5nm,Mo-on-Si界面に1.5nmずつのSiO2層を挿入したMo(4.0)/SiO2(0.5)/Si(4.0)/SiO2(1.5)多層膜が高い耐熱性と軟X線反射率とを実現することを見いだした.この多層膜は400℃における熱処理後も熱処理前と同様の高い軟X線反射率を示し,500℃までの熱処理に対して安定な構造を有する.この温度は従来のMo/Si多層膜に比べ,約200℃と高い.


301033
Effects of proton irradiation on n+p InGaP solar Cells
Dharmarasu, N.* ; Khan, A.* ; 山口真史* ; 高本達也* ; 大島武 ; 伊藤久義 ; 今泉充* ; 松田純夫*
Journal of Applied Physics 91(5), p.3306-3311(2002) ; (JAERI-J 19470)

 InGaP単接合及びInGaP/GaAs二接合太陽電池へ3MeV陽子線照射を行い特性劣化を調べた.InGaP単接合の劣化は二接合に比べ少ないことが明らかになった.分光感度測定を行ったところ,長波長側の劣化が観測され,GaAsサブセルの劣化が二接合太陽電池の劣化へ寄与しているという結果を得た.少数キャリア拡散長の損傷係数を見積もったところ,InGaPでは7.9×10-5,GaAsでは1.6×10-4あった.また,これら損傷係数の値は,1MeV電子線照射の場合と比べ,それぞれ580,280倍大きいことが明らかになった.


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