2002年度

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, B


310265
Electron paramagnetic resonance induced by K-shell resonance excitation in DNA bases in solid state
横谷明徳 ; 赤松憲* ; 藤井健太郎*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 199, p.366-369(2003) ; (JAERI-J 19895)

 DNA損傷の生体機構の物理化学的初期過程を解明することを目的とし,SPring-8の原研軟X線ビームラインの生物ステーションに電子常磁性共鳴装置を設置し放射光照射によりDNA構成分子に生じるラジカル種を測定している.本研究ではグアニンとチミンというふたつの代表的な核酸塩基を試料とし,酸素のK殻励起波長の軟X線を照射した時に現れるEPRシグナルを測定した.その結果,ビーム照射中にのみ現れる短寿命の不安定ラジカルと,ビーム照射によりしだいに蓄積してゆく安定ラジカルのふたつの成分が存在することを見いだした.酸素のK殻励起により電子がひとつ失われたカチオンラジカルがこの短寿命のシグナルであると推測され,これらが次第に安定なラジカルに固定されてゆくと考えられる.


310264
Structural analysis of 1-ethyl-3-methylimidazolium bifluoride melt
松本一彦* ; 萩原理加* ; 伊藤靖彦* ; 小原真司* ; 鈴谷賢太郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 199, p.29-33(2003) ; (JAERI-J 19894)

 低温型溶融塩:1-エチル-3-メチルイミダゾリウムバイフルオライド (EMImF・HF)融体の333Kでの構造を,SPring-8における放射光高エネルギーX線回折で調べた.この融体の全相関関数は,固体結晶のそれと大変良く似ており,短範囲構造だけでなく,中距離構造も融体と結晶では似ていることがわかった.分子内のF-F相関は,この融体では明確に観察された.これは室温型溶融塩1-エチル-3-メチルイミダゾリウム フルオロヒドロゲネート(EMImF・2.3HF)融体の場合とは異なっている.


310263
High-energy X-ray diffraction studies of disordered materials
小原真司* ; 鈴谷賢太郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 199, p.23-28(2003) ; (JAERI-J 19893)

 第三世代放射光施設における高エネルギーX線回折は,液体やアモルファス固体,ガラスなどのランダム系物質の構造解析に大きな進歩をもたらした.特に,X線の波長が短いため,高い散乱ベクトルQまで測定できるので,実空間分解能が飛躍的に向上した.また,X線の強度と透過能が高いため,少量の試料を透過法で測定できるので,高温高圧下での測定も比較的容易である.したがって,これまで(パルス)中性子回折によって調べられてきたランダム系物質のデータとの直接比較が可能である.われわれは,SPring-8において,ランダム系物質専用の高エネルギーX線回折計を建設し,いくつかの酸化物ガラス(SiO2及びGeO2ガラス)の中距離構造を明らかにした.特に,高エネルギーX線回折とパルス中性子回折の両データに,逆モンテカルロシミュレーションを適用し,中距離構造を含むガラスの大きな構造モデルの構築に成功した.これらの高エネルギーX線回折を中心とした,ランダム系物質の短・中距離構造の精密な構造解析法は,高温下でのランダム系物質の構造変化を調べる研究などにも適用され,SiO2ガラスは1000℃の高温下でも短距離構造は変化せず,わずかに平均的な中距離構造に変化が現れるだけであることが明らかになった.


310262
Depth-dependent and surface damages in MgAl2O4 and MgO irradiated with energetic iodine ions
有賀武夫 ; 片野吉男* ; 大道敏彦* ; 岡安悟 ; 数又幸生* ; 實川資朗
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 197(1-2), p.94-100(2002) ; (JAERI-J 19892)

 アルミナ(Al2O3),スピネル(MgAl2O4),マグネシア(MgO)焼結体試料にタンデムからの85MeVのヨウ素イオンを1×1014/m2・sの線束で1.2×1019/m2まで室温照射した.透過電顕による観察の結果,スピネルではアルミナより〜1μm深くまで非晶質化が認められ,複雑な組成の方が非晶質化し易い傾向を見いだした.MgOでは非晶質化などの損傷は認められなかったが,X線回折の結果,約10μm厚さの表面層で微結晶表面が(100)面に再配列することを新たに見いだした.透過電顕での電子線回折では認められないこれらの変化は,高エネルギーイオンの透過に伴う飛跡に沿って再配列が生じると考えられる.


310134
Hardening of Fe-Cu alloys by swift heavy ion irradiation
岩瀬彰宏 ; 長谷川忠之* ; 知見康弘 ; 飛田徹 ; 石川法人 ; 鈴木雅秀 ; 神原正* ; 石野栞*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 195(3-4), p.309-314(2002) ; (JAERI-J 19778)

 2種類のモデル合金,Fe-0.6%CuとFe-1.2%CuをGeV領域の重イオンで照射した.照射前後の硬さをヴィッカース硬度計により評価した.その結果,250Cで3.5GeVのXeイオン照射Fe-1.2%Cu試料の硬度が,弾性的弾き出しによる損傷量から見積もったものと比べ,はるかに大きく変化した.これは,GeVイオン照射のもたらす高密度電子励起によって生成された欠陥が熱拡散し,銅原子の照射促進偏析が起こったためと説明できる.


301159
Local electronic and geometric structures of silicon atoms implanted in graphite
馬場祐治 ; 関口哲弘 ; 下山巖*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 194(1), p.41-46(2002) ; (JAERI-J 19583)

 炭化ケイ素(SiC)にはいくつかの安定層があるが,いずれもsp3結合で構成された結晶構造をもつ.最近,第一原理計算により,sp2結合から構成される二次元グラファイト構造をもつSiCが安定に存在する可能性が報告された.本研究はこれを実験的に検証するため,グラファイト単結晶に低エネルギーシリコンイオンを注入し,シリコン原子周囲の電子状態と構造をX光電子分光法(XPS)と直線偏光した放射光を用いたX線吸収端微細構造法(XANES)により調べた.Si/C比が0.01の試料におけるSi K-吸収端のXANESスペクトルには,sp2結合のπ軌道への遷移と思われる低エネルギーピークが観測されるとともに,このピーク強度に顕著な偏光依存性が認められた.偏光解析の結果,π軌道はグラファイト面に垂直に近いことが明らかとなった.このことから,シリコン濃度の小さい範囲においては,グラファイト構造をもつSixC層が存在し得ることが明らかとなった.


301052
Electronic sputtering of oxides by high energy heavy ion impact
松波紀明* ; 左高正雄 ; 岩瀬彰宏
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 193(1-4), p.830-834(2002) ; (JAERI-J 19489)

 原研タンデム加速器からの高エネルギー重イオンを酸化物に照射し,電子励起によるスパッタリング収量を測定した.照射試料はSrCeO3とSiO2を用いた.スパッタリング収量は炭素薄膜法を用いて測定した.スパッタリング収量は弾性散乱カスケードによる計算値と比べて,どちらの試料も約1000倍大きいことがわかった.また,収量は電子的阻止能Seに対してSenの形で表せ,nは2-3であることがわかった.


301051
Electronic excitation effects on secondary ion emission from a foil of conducting material bombarded by high energy heavy ions
関岡嗣久* ; 寺澤倫孝* ; 左高正雄 ; 北澤真一 ; 新部正人*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 193(1-4), p.751-754(2002) ; (JAERI-J 19488)

 高エネルギー重イオンにより固体中に生成される励起電子の格子へのエネルギー移行過程を研究することを目的として,原研タンデム加速器からの重イオンを金属薄膜に照射し放出される二次イオンの質量分布を測定した.入射重イオンは100〜240MeVの金イオンを用い,金属薄膜は金と銅を用いた.二次イオン収量は,金,銅試料とも電子的阻止能の二乗に比例して増大し,金属中でも電子励起による二次イオン放出過程の存在を明らかにした.この結果は入射イオンのトラック内でのクーロン爆発過程の重要性を示唆している.


310133
Defect production induced by electronic excitation in iron
知見康弘 ; 岩瀬彰宏 ; 石川法人 ; 神原正*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 193(1-4), p.248-252(2002) ; (JAERI-J 19777)

 鉄における電子励起効果について欠陥生成に焦点を絞って議論する.鉄薄膜試料(厚さ〜200nm)に低温(〜77K)で2MeV電子線,〜1MeVイオン,〜100MeV重イオン,GeV重イオンを照射して,そのときの電気抵抗の変化から試料への欠陥蓄積挙動を系統的に調べた.照射中の欠陥蓄積挙動を解析することにより,各照射粒子に対する欠陥生成断面積が得られた.電子線と〜1MeVイオンの効果との比較により,〜100MeV,GeV重イオンにおける電子励起の欠陥生成断面積への寄与分を抽出することができた.比較的高い電子励起密度をもたらすイオンでは,電子励起による欠陥生成が支配的になり,さらにその断面積は,電子的阻止能よりも初期イオン化率によってうまくスケーリングされることがわかった.このことは,「クーロン爆発」が欠陥生成をトリガーできることを示唆している.


301050
Bubble formation with electron irradiation in SiC implanted with hydrogen or deuterium
相原純 ; 北條喜一 ; 古野茂実* ; 石原正博
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 191(1-4), p.540-543(2002) ; (JAERI-J 19487)

 水素又は重水素を注入したSiCを120kV又は200kV電子線照射すると,イオン注入直後にはほとんどバブルが観察されなくてもバブルが生成し成長することが観察された.試料としてα-SiC薄膜を用い,イオン注入及び電子線照射は,イオン加速器と連結した透過型電子顕微鏡内で室温で行った.イオン注入後,試料の非晶質化は起こったがバブルははっきり確認することができなかった.電子線照射を行うと,バブル生成及び粗大化が観察される場合もあった.バブル粗大化が起こる場合には試料厚さ依存性が観察された.また,バブル粗大化はHを注入した場合の方がDを注入した場合よりも起こりやすかった.また,バブル粗大化の電子線エネルギー依存性ははっきりと確認することはできなかった.また,電子線フラックス依存性は実験を行った範囲ではみられなかった.


300983
Hydrogen analyses of titanium hydride by ERD and NRG methods
土屋文* ; 勅使河原誠 ; 永田晋二* ; 小無健司* ; 安田良 ; 西野泰治 ; 中川哲也* ; 山脇道夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 190(1-4), p.699-703(2002) ; (JAERI-J 19429)

 反跳粒子検出(ERD)法及び中性子ラジオグラフィー(NRG)法により,チタン水素化物(TiHx: x=1.65〜1.96)の水素濃度を測定した.ERD法ではTiHx表面(約0.3mm),NRG法ではTiHxバルクの水素濃度をΔx=±0.05程度の精度で測定可能であり,各水素分析手法の有効性を確認した.


301243
Application of the micro-pixe technique for analyzing arsenic in biomat and lower plants of lichen and mosses around an arsenic mine site, at Gunma, Japan
大貫敏彦 ; 坂本文徳 ; 香西直文 ; Samadfam, M.* ; 酒井卓郎 ; 神谷富裕 ; 佐藤隆博* ; 及川将一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 190(1-4), p.477-481(2002) ; (JAERI-J 19657)

 ヒ素鉱山付近の地表水中に成長したバイオマットに含まれるAs,Fe,Si及びSを原研TIARAのマイクロPIXEで分析した.その結果,Fe及びAsがバイオマット中に濃集していることを明らかにした.地下水中のヒ素の濃度がバイオマットと接触後減少したことから,バイオマットがヒ素の地表水からの除去に重要な役割を果たしていることを明らかにした.


301049
Investigation of the radiation hardness on semiconductor devices using the ion mocro-beam
西島俊二* ; 大島武 ; Lee, K.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 190(1-4), p.329-334(2002) ; (JAERI-J 19486)

 2MeV-H+イオンを用いたイオンビーム誘起電流(IBIC)測定によりシリコン(Si)pnダイオード及び炭化ケイ素(SiC)ショットキーダイオードの照射欠陥を評価した.照射量の増加とともIBICパルス強度が減少し,Si pnダイオードでは9.2E12/cm2のH+イオン照射後,パルス強度は未照射の85%まで減少する結果が得られた.また,SiCショットキーダイオードでは6.5E12/cm2照射後に未照射に比べ50%までIBICパルス強度が減少した.IBICパルス強度の減少は照射により発生した結晶損傷に起因すると考えられ,IBIC測定が半導体素子の照射損傷を評価するのに利用できることが示された.


301048
JAERI Takasaki in-air micro-PIXE system for various applications
酒井卓郎 ; 神谷富裕 ; 及川将一* ; 佐藤隆博* ; 田中晃* ; 石井慶造*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 190(1-4), p.271-275(2001) ; (JAERI-J 19485)

 原研高崎において,軽イオンマイクロビーム形成装置を利用した大気照射マイクロPIXE分析システムが完成した.このシステムは大気中の試料に対し,1μmの空間分解能で多元素の2次元分布を測定できるもので,さまざまな分野での応用研究に利用され始めた.計測システムには専用のFTPサーバーが設置されており,遠隔地にいる利用者もインターネットを利用してリアルタイムに実験データを共有することが可能である.また応用研究に関しては,医学・生物学,歯学,環境科学,地球科学等の幅広い分野の研究者に利用されているため,専用のデータ収集・解析システムの開発を行った.特に厚い試料に対する分析において,周期的なビーム偏向により1次ビームの伝留置を計測する手法や,特定領域のX線スペクトルを抽出する機能を開発した.このシステムにより,今まで測定が難しかった,定量的な歯質中のフッ素濃度や直径数μmのエアロゾル粒子の元素組成を明らかにした.


300982
The Kinetics of Fe and Ca for the development of radiation-induced apoptosis by micro-PIXE imaging
原田聡* ; 玉川芳春* ; 石井慶造* ; 田中晃* ; 佐藤隆博* ; 松山成男* ; 山崎浩道* ; 神谷富裕 ; 酒井卓郎 ; 荒川和夫 ; 西堂雅博 ; 及川将一* ; 世良耕一郎*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 189(1-4), p.437-442(2002) ; (JAERI-J 19428)

 放射線誘起アポトーシスと微量元素の挙動の相互作用を詳しく調べるために,ヒト白血病細胞に60Coのγ線をインビトロで照射し,微量元素の画像化を行った.アポトーシスの頻度はTUNEL染色をした後,顕微鏡で 400 倍に拡大して得た.また,マイクロPIXE分析で細胞内の微量元素の分布の測定を行った.アポトーシスの初期段階では鉄が細胞質に集中して見られたが,アポトーシスが進行すると鉄の集積は無くなり,細胞核でCaが集積しZnが減少した.このことから,アポトーシスの進行には (1)FeやFeを含む酵素による細胞質から細胞核への信号の伝達, (2) Ca に依存する酵素による細胞核の変性と核からのZnの放出,の2つの段階が存在するようである.このような微量元素の集積はアポトーシスの新しい標識になると思われる.


300885
Performance of the multiple target He/PbI2 aerosol jet system for mass separation of neutron-deficient actinide isotopes
市川進一 ; 塚田和明 ; 浅井雅人 ; 羽場宏光* ; 阪間稔* ; 小島康明* ; 柴田理尋* ; 永目諭一郎 ; 大浦泰嗣* ; 河出清*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 187(4), p.548-554(2002) ; (JAERI-J 19351)

 重イオン核融合反応で生成する中性子欠損アクチノイド核のオンライン同位体分離を目的に,多層標的槽,ガスジェット搬送装置ならびに熱イオン源から構成されるオンライン・システムを構築した.本システムは,141Pr(6Li,4n)反応で生成する143mSmを11%の効率で,233U(6Li,4n)反応で生成する235Amを0.3〜0.4%の効率で分離できる.さらに,反応で生成した核種の分離にかかわる時間は1〜2秒で,かつ100時間以上の連続した実験に使用可能である.本システムによる未知核種の探索では,237Np(6Li,4n)反応で生成する,237Cmの発見に成功した.この時の237Cmの生成断面積は1μbと予測された.


300543
Properties of TNF-1 track etch detector
小倉紘一* ; 浅野雅春 ; 安田仲宏* ; 吉田勝
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 185(1-4), p.222-227(2001) ; (JAERI-J 19074)

 放射線感受性の高い素材の開発を進めているが,ジエチレングリコール・ビス・アリルカーボネート(CR-39)に感温材料で知られているN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を少量添加した共重合体(TNF-1)がLETで10keV/μmの粒子を検出できることがわかった.また,このTNF-1は27MeVのプロトンも検出できた.このようなTNF-1はCR-39/NIPAAm(99/1)中に0.01%の酸化防止剤(ナウガード)を添加し,70℃で24h反応させて作製した.得られたTNF-1は透明な1mm厚さのプラスチック板であった.この論文では,このTNF-1を用いて宇宙線測定,中性子測定そして重粒子線による癌治療時のモニタリングなどのドシメトリーについて検討し,従来素材のCR-39(TD-1)と比較した.


300542
Mechanisms and kinetics of hydrogen yield from polymers by irradiation
瀬口忠男
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 185(1-4), p.43-49(2001) ; (JAERI-J 19073)

 ポリエチレンから発生する水素は線量の増大につれて飽和するが,その原因は照射で生成する二重結合が耐放射線性の作用をすると考えられる.そのモデルを用いて,実験データを定量的に解析できた.


300541
Diode-like single-ion track membrane prepared by electro-stopping
Apel, P. Y.* ; Korchev, Y. E.* ; Siwy, Z.* ; Spohr, R.* ; 吉田勝
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 184(3), p.337-346(2001) ; (JAERI-J 19072)

 電気化学的手法を利用して非対称構造を持つポリエチレンテレフタレートフイルムを調製することを目的に,一個のイオンを照射したフイルムを電解セルに固定,次いでセルの片側をアルカリ溶液(9M NaOH),その反対側を酸性溶液(2M KCl / 2M HCOOH)で満たした.アルカリエッチング反応の進行と共にイオン穿孔が形成され,最終的に,孔がフイルムを貫通した瞬間に両者の溶液が混ざり合い中和によって反応を停止させた.この操作によりエッチピットが数ナノメーターの孔径からなる円錐状イオン穿孔フイルムを得ることが出来た.非対照構造を持つイオン穿孔フイルムの特性を電気伝導度測定結果から評価した.


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