2002年度

Materials Transactions, JIM


301234
The Characterization of reinforced TiAl intermetallic with dispersed Cr purticles consolidated by HIP
石山新太郎 ; Buchkremer, H. P.* ; Stover, D.*
Materials Transactions, JIM 43(9), p.2331-2336(2002) ; (JAERI-J 19648)

 核融合炉用低放射化材として注目されているTiAl金属間化合物は,室温加工性に乏しいため,本研究では,Cr元素の添加量を変えた高純度TiAl金属間化合物粉末を高温等方加圧成形法(HIP)により固化したものの機械的特性を評価するとともに,1273K×200MPaのHIP条件でHIP処理したTiAl+xCrの焼結材の微細組織の観察も行った.その結果,TiAlと分散Cr粒子間には反応相が形成され,HIP処理したTiAlの機械的強度特性を改善することができた.すなわち,TiAl+5CrにHIP処理を施すとにより高温強度を従来材及び金属粉末射出成形法によるTiAl材より1.2〜1.5倍も強化することができた.同時に,この製法により延性も改善でき,その結果特に室温における機械加工性を向上させることに成功した.


300880
Corrosion fatigue of refractory materials in boiling nitric acid
本岡隆文 ; 木内清
Materials Transactions, JIM 43(5), p.1220-1224(2002) ; (JAERI-J 19346)

 沸騰硝酸中で優れた耐食性を示すジルコニウム,ニオブ及びチタン合金のようなリフラクトリー金属は,使用済燃料再処理施設の構造材料として使用されている.本研究では,沸騰3N硝酸中と室温大気中で,荷重制御の試験によりこれらの金属の疲労き裂進展速度を応力拡大係数範囲の関数として調査した.破断面は走査型電子顕微鏡により観察した.ジルコニウムとニオブのき裂成長速度は,空気中のそれと比較して沸騰硝酸中で加速した.腐食疲労によるき裂進展の加速現象は,Ti-5Ta合金では認められなかった.Ti-5Ta合金の破断面は両環境中で延性ストライエーションを示した.他方,ニオブの破断面は,空気中では疲労ストライエーション,硝酸中では脆性ストライエーションを示した.硝酸中のジルコニウムの破断面は脆性破壊と応力腐食割れに関連した延性破壊を示した.


301046
Short-range structure of vitreous P2O5 by MD simulation
鈴木喜博* ; 高瀬桂一* ; 秋山功* ; 鈴谷賢太郎 ; 梅咲則正* ; 大鳥範和*
Materials Transactions, JIM 42(11), p.2242-2246(2001) ; (JAERI-J 19483)

 P2O5ガラスの短範囲構造を,2体クーロン・ポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーション法によって再現することに成功した.P2O5ガラスの最隣接原子相関P-Oは,P原子周りのO原子の配位数が4配位のPO4四面体を形成しており,そのうち3配位のO原子は他のPO4四面体と頂点共有で架橋(bridging)している架橋酸素(Bridging Oxygen)OBであり,残りの1配位のO原子は非架橋の酸素(terminal Oxygen)OTであることが構造化学的に予測され,パルス中性子回折実験の結果からもその短範囲構造は支持されている.われわれは,簡単な2体クーロン・ポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーションを行い,パルス中性子回折実験による構造因子のhigh-Q側をよく再現する構造モデルを得た.このモデルの短範囲構造は,距離の長いP-OBが3つと距離の短いP-OTが1つからなる非対称なPO4四面体構造を形成しており,その距離及び配位数は実験結果とよく一致した.このことは,P2O5ガラスの短範囲構造は,単に原子(イオン)の持つ電荷とサイズのみから決まっていることを意味している


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2002年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)