2002年度

Journal of Physics, Condensed Matter


310128
In situ X-ray observations of the diamond formation process in the C-H2O-MgO system
岡田卓* ; 内海渉 ; 下村理
Journal of Physics: Condensed Matter 14(44), p.11331-11335(2002) ; (JAERI-J 19772)

 地球内部起源天然ダイヤモンドの生成メカニズムを解明するために,本研究ではMg(OH)2ブルーサイトとグラファイトの混合粉末を出発物質とし,H2Oフルイド中でのダイヤモンド生成過程をX線その場観察した.圧力増加とともにフルイド中のMgO成分溶解量が増大することを示唆する結果が得られた.しかし炭素溶解量は劇的には上昇しておらず,ダイヤモンド生成にはフルイド生成後さらに温度上昇,あるいは高温保持時間が必要であった.これは放射光を用いた,黒鉛−ダイヤモンド変換の初のカイネティクス実験である.


300878
Spin fluctuation-induced superconductivity controlled by orbital fluctuation
瀧本哲也* ; 堀田貴嗣 ; 眞榮平孝裕* ; 上田和夫*
Journal of Physics, Condensed Matter 14(21), p.L369-L375(2002) ; (JAERI-J 19344)

 f-電子系における超伝導を議論するための微視的模型として,f-軌道の対称性を反映した軌道縮退ハバード模型を提案する.軌道縮重のある領域においては,スピンゆらぎと軌道ゆらぎの間の相殺が一重項超伝導を不安定化するが,結晶場効果などによって軌道縮退が解けると軌道ゆらぎが抑えられ,スピンゆらぎを媒介としたd-波超伝導が出現する.われわれはこのシナリオが最近発見されたCe-115超伝導体に適用できることについて議論する.


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