2002年度

原子力バックエンド研究


310151
ウラン廃棄物の安全評価
木村英雄
原子力バックエンド研究 8(2), p.103-114(2002) ; (JAERI-J 19795)

 核燃料加工施設等から発生するウラン廃棄物の処分方策を検討するため,簡易な方法による浅地中処分(トレンチ処分),浅地層処分及び地下利用に十分余裕を持った深度への処分を想定して,パラメータ不確かさを考慮した重要度解析及び被ばく線量評価解析を実施した.本報告では,各処分概念ごとの埋設濃度上限値の試算結果,パラメータ不確かさ解析による重要被ばく経路の同定,人間侵入及び隆起浸食等の確率的シナリオの影響等に関する評価結果について述べる.


300569
自然が教える放射性廃棄物の行方; 地下環境と未来の予測のために
永野哲志 ; 中山真一
原子力バックエンド研究 8(1), p.81-88(2001) ; (JAERI-J 19100)

 日本原子力研究所では,放射性核種の地中での動きを数万年のタイムスケールで予測するための研究として,ナチュラルアナログ研究及びTRU元素の熱力学データの取得を目的とした研究などを行ってきた.本稿は,これらの研究について,日本鉱物学会の依頼を受け,中高生向けに行った講演会の一部をまとめたものである.一般の人が容易に理解できるように,身近な現象を取り上げ,専門用語をなるべく使わないで紹介した.


300568
浅地中環境下におけるウラン系列核種の分配係数測定,2; 分配係数のpH依存性
坂本義昭 ; 石井友彰* ; 稲川聡* ; 軍司康義* ; 武部愼一 ; 小川弘道 ; 佐々木朋三*
原子力バックエンド研究 8(1), p.65-76(2001) ; (JAERI-J 19099)

 ウラン廃棄物の浅地中処分の安全評価において必要となる通気層環境(ローム−雨水系)及び帯水層環境(砂−地下水系)でのウラン及びウラン娘核種である鉛,ラジウム, アクチニウム,トリウム,プロトアクチニウム,ウランの分配係数のpH依存性を求め,これらの元素の吸着形態について検討を行った. 鉛,ラジウム,アクチニウム,トリウム,プロトアクチニウム,ウランの分配係数のpH依存性に対して,各元素の存在形態と土の陽イオン交換容量及び表面電位特性を基にして,イオン交換吸着及び表面錯体形成による吸着を組み合わせた吸着反応のモデル計算を行った結果,各元素に対する吸着挙動とその分配係数をおおむね表すことが可能であることを示した.


300567
浅地中環境下におけるウラン系列核種の分配係数測定, 1
石井友彰* ; 稲川聡* ; 軍司康義* ; 坂本義昭 ; 武部愼一 ; 小川弘道 ; 佐々木朋三*
原子力バックエンド研究 8(1), p.55-64(2001) ; (JAERI-J 19098)

 ウラン廃棄物の浅地中処分の安全評価に必要となるウラン系列核種(鉛,ラジウム,アクチニウム,トリウム,プロトアクチニウム,ウラン)の分配係数を通気層環境及び帯水層環境で求めた.通気層環境としてはローム等の4種類の土と雨水の組み合わせ,帯水層環境としては砂等の3種類の土・岩石と地下水の組み合わせで各元素の分配係数をバッチ法により測定した.通気層環境と帯水層環境での分配係数を比べると,アクチニウム以外の元素で通気層環境での分配係数が帯水層環境よりも10倍〜100倍大きい値が得られた.また,土の代表的な物性値である陽イオン交換容量(CEC)及び比表面積と各元素の分配係数の関係を求めた結果,鉛,ラジウム,プロトアクチニウムについてはおおむねこれらの物性値と分配係数に相関が認められた.


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