2002年度

非破壊検査


301067
赤外線サーモグラフィによる非破壊試験に関連した規格の作成に向けた動き
石井敏満
非破壊検査 51(6), p.328-332(2002) ; (JAERI-J 19504)

 赤外線サーモグラフィを利用した非破壊試験は,機器構造物及び構造材料の欠陥検出や応力測定を遠隔かつ非接触で可能な方法として注目されているが,我が国では,試験法や評価法に関する規格基準の整備が諸外国に比べて遅れている.本報告では,「赤外線サーモグラフィによる非破壊試験の標準用語」に関する非破壊検査協会規格(NDIS)の作成に向けたこれまでの活動及びNDIS原案の内容について紹介する.また,国際標準化機構 (International Organization for Standardization:ISO)の中に設けられている非破壊試験の国際標準化のための第135専門委員会(Technical Committee 135:TC135)の中に,新たな分科委員会(Sub-committee:SC)として1999年に設置された赤外線サーモグラフィ試験に関する分科委員会への我が国の対応状況についても述べる.


300752
赤外線サーモグラフィによる材料内部欠陥の検出とその数値シミュレーション; 欠陥検出における材料の熱拡散率の影響
石井敏満 ; 稲垣照美* ; 坂根泰輔* ; 中谷隆彦* ; 大岡紀一 ; 近江正男 ; 星屋泰二
非破壊検査 51(4), p.223-230(2002) ; (JAERI-J 19238)

 赤外線サーモグラフィを用いた非破壊試験法は,材料や構造物の内部欠陥を遠隔かつ非接触で検出できる一方で,欠陥の定量的検出手法の確立が急務となっている.本研究では,母材より熱拡散率の小さい人工内部欠陥を有する試験片を裏面から非定常加熱した場合に,試験片表面に生じる不規則な温度分布を赤外線カメラで測定し,その熱画像から欠陥を識別した.また,開発した解析コードによる非定常三次元熱伝導の数値解析の結果,試験片表面では内部欠陥の上部に相当する位置の温度がその周辺に比べて低温となり,その温度変化が実験結果と良好に対応することを確認した.これにより,欠陥寸法等に依存して生じる表面温度変化の定量評価の見通しを得た.さらに,同じ欠陥を有する試験片の表面では,熱拡散率が小さい母材ほど欠陥上部の位置とその周辺との温度差は大きくなり,熱拡散率と温度差の相関についても定量評価できる見通しを得た.


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