2002年度

KURRI-KR


300708
Formation of organically bound deuterium in plants
安藤麻里子 ; 天野光
KURRI-KR-61, p.106-111(2000) ; (JAERI-J 19203)

 トリチウムの環境中での挙動を調べるために,安定同位体である重水を使用して行われた放出実験の結果を報告する.実験では稲やそのほかの野菜を設置したビニールハウス内に重水の水蒸気を放出し,大気水分中濃度,植物自由水中の重水素,有機結合体重水素(OBD)の増加を調べた.実験は昼夜の差を比較するため,昼と夜の2回,8時間ずつ放出が行われた.また,稲については,放出終了後も外に出して収穫時まで育て,濃度低下と穂の部位への残留も調べた.結果として,昼の葉の部位のOBD生成が夜間の2-3倍であること,稲について,昼の実験で生成されたOBDの方が,夜間に生成されたOBDに比較して収穫時まで残留する割合が高いことなどが示された.


310296
トリチウム被ばく線量評価コードACUTRIとTRINORM
野口宏 ; 横山須美*
KURRI-KR-80, p.50-56(2002) ; (JAERI-J 19926)

 大気中へ放出されるトリチウムによる公衆被ばく線量を評価するためのコードとして,事故時用のACUTRIと平常運転時用のTRINORMを開発した.これらのコードの開発にあたっては,線量評価上重要なトリチウムの環境中挙動をモデル化するとともに,現在の我が国における原子力施設の安全評価手法との整合性に配慮した.ACUTRIでは1次プルームによる吸入摂取経路と1次プルーム中のトリチウムが地表面に沈着し,その後大気中へ再放出された2次プルームによる吸入摂取経路が考慮されている.TRINORMでは,これら以外に農畜産物や地下水の摂取による内部被ばくが考慮されている.発表ではコードの特徴と試算結果について述べる.


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