2002年度

デコミッショニング技報


310150
欧州委員会(EC)におけるクリアランスレベルの検討状況
大越実
デコミッショニング技報 (26), p.2-12(2002) ; (JAERI-J 19794)

 1996年にIAEAによって提案されたクリアランスの概念は,原子力施設の廃止措置等に伴って発生する極めて放射能レベルの低い固体状物質の管理に当たって非常に有用である.このため,欧州委員会(EC)は,RP 89において金属に対するクリアランスレベルを,また,RP 113において建物及びコンクリート片に対するクリアランスレベルを提案している.ECは,さらに,RP 122において全ての固体状物質に適用可能な一般クリアランスレベルを提案している.これらの提案されているクリアランスレベルと原子力安全委員会の提案しているクリアランスレベルを比較した結果,その相違は小さかった.Fe-55が最も相違が大きく,ECのクリアランスレベルは原子力安全委員会の提案値の約5分の1であった.その相違理由は,ECがコンクリート片を幼児が直接摂取するという経路を評価し,その摂取量に安全側の値を使用していることにあった.


300751
原子力施設の廃止措置に関する国際協力の現状; OECD/NEAにおける最近の活動状況
柳原敏
デコミッショニング技報 (25), p.2-11(2002) ; (JAERI-J 19237)

 本報告はOECD/NEAにおける廃止措置の最近の活動をまとめたものである.OECD/NEAにおいては,現在3種類の活動が進行しているが,その一つに1985年から進めている廃止措置活動の情報交換に関する協力がある(CPD計画).本協力には,現在14ヵ国から39プロジェクトが参加し廃止措置プロジェクトの進捗や技術開発に関する情報交換,また,作業部会による廃炉費用評価,廃棄物再利用等に関する調査検討を実施している.他方,平成13年からは廃炉費用と政策に関する調査と検討を実施する活動,さらに,廃止措置における物質管理と安全評価に関する検討も始められ,廃止措置における安全基準のあり方等の検討が行われる予定である.我が国においても,原子力施設の廃止措置に関する検討は必須であり,これらの活動を参考により安全で効率的な廃止措置を進めるための政策を検討する必要がある.


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