2002年度

Journal of Physical Chemistry, A


310127
Photodissociation of acetaldehyde, CH3CHO→CH4+CO: Direct ab initio dynamics study
黒崎譲 ; 横山啓一
Journal of Physical Chemistry A 106(47), p.11415-11421(2002) ; (JAERI-J 19771)

 RMP2(full)/cc-pVDZレベルでのdirect ab initioダイナミクス法を用い,S0面上での光解離反応CH3CHO→CH4+COのトラジェクトリを全部で100個計算した.相対並進エネルギー,CO内部エネルギー,CH4内部エネルギーに対するエネルギー分配はそれぞれ,28,20,51%と計算された.生成物のCOは高回転励起状態に励起されるが,振動状態は励起されないことが予測され,平均の回転及び振動量子数はそれぞれ68.2,0.15と計算された.この結果は,Ghermanらの実験(J.Chem.Phys.2001, 114, 6128)と定性的に一致している.


300876
Quantum scattering calculations of the O(1D)+N2(X1Σg+)→O(3P)+N2(X1Σg+) spin-forbidden electronic quenching collision
高柳敏幸
Journal of Physical Chemistry, A 106(19), p.4914-4921(2002) ; (JAERI-J 19342)

 O(1D)+N2(X1Σg+)→O(3P)+N2(X1Σg+)スピン禁制衝突について量子散乱計算を行った.一重項及び三重項についてそれぞれ一枚のポテンシャル面に簡略化した.標準的な堅密結合法により,電子的非断熱消光確率及び消光断面積を計算した.ポテンシャル面及びスピン軌道相互作用については過去にほかの研究者によって作製されたものを用いた.堅密結合の計算結果は,電子的非断熱過程が量子力学的な共鳴状態を経由して起こることを示した.このことは,これまで提唱されてきたポテンシャル交差モデルが,この非断熱過程には使えないことを示している.また,堅密結合の結果を半古典的ホッピングトラジェクトリー近似法による計算結果とも比較し,この近似が不十分であることも示した.


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