2002年度

放射線化学


300832
電子ビームを用いたごみ燃焼排煙中のダイオキシン分解技術の開発
小嶋拓治
放射線化学 2002(73), p.43-46(2002) ; (JAERI-J 19310)

 原研では,平成12年11月から平成14年2月まで,高崎市ほか町村共同衛生組合高浜クリーンセンターにおいて,200℃の実燃焼排煙を用いて,電子ビームによるダイオキシンの分解の技術開発を行った.この結果,次の成果が得られた.(1) ダイオキシン類の抽出・精製・ガスクロ質量分析について日本工業規格(JIS)手順を最適化し,同等の精度でかつ約半分の時間でガス中のダイオキシン類の定量を可能にした.(2) ダイオキシン類の分解率(照射前後の濃度比)として,吸収線量3kGyで約50%,10kGyで約80%,及び15kGy以上では所期の目標である90%以上が得られた.(3)ダイオキシン類の種類別に分解挙動を調べた結果から,塩素の脱離よりもベンゼン環の開環やエーテル結合の切断が主として起こっていると考えられる.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2002年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)