2002年度

Journal of Electron Microscopy


300873
Recrystallization by annealing in SiC amorphized with Ne irradiation
相原純 ; 北條喜一 ; 古野茂実* ; 石原正博 ; 林君夫
Journal of Electron Microscopy 51(2), p.93-98(2002) ; (JAERI-J 19339)

 SiCは高温用・耐放射線用構造材料及び半導体として期待される材料である.照射下での使用が考えられることから照射下の挙動及び焼鈍による回復に関する基礎的研究は重要である.本研究では透過型電子顕微鏡観察下でα-SiCをイオンで室温照射し,照射後焼鈍による組織変化をその場観察した.照射種としては不活性ガスであるNeイオンを用いた.イオンフルエンスを変え,5種類の試料を照射し,400-1100℃の範囲で等時焼鈍した.照射により,5種類の照射はすべて非晶質化した.焼鈍により,だいたい同じようにエピタキシャル成長が起こった.照射量の多い試料では1000℃,照射量の少ない試料では1100℃焼鈍によって大量の新しい結晶核が生成した.また,1000℃焼鈍によって,大量の核生成が起こった試料でも起こらなかった試料でもバブルの成長もしくは生成が観察された.核生成の照射量依存性について考察した.


300729
Defect structure of high-Tc superconductor by high-energy heavy ion irradiation
笹瀬雅人* ; 岡安悟 ; 倉田博基 ; 北條喜一
Journal of Electron Microscopy 51(Supple), p.S235-S238(2002) ; (JAERI-J 19215)

 照射イオンの電子励起によるエネルギー損失(-dE/dx)と円柱状欠陥の大きさとの関係を調べ,Time Dependence Line Source モデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量を計算した.その結果,照射エネルギーの増加とともに電子励起によるエネルギー損失量が増加して,生成した円柱状欠陥の直径が8.4nmから16nmに増加することが明らかとなった.また,TEM観察の結果と電子励起によるエネルギー損失量をもとに,Time Dependence Line Sourceモデルにより円柱状欠陥生成に必要なエネルギー付与量(=電子励起によるエネルギー損失量)を計算した.その結果,イオン照射により付与されたエネルギーの1/3が円柱状欠陥生成に寄与していることが明らかとなった.


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