2002年度

Journal of Crystal Growth


301147
Single-crystal growth of silver-lead oxide Ag5Pb2O6 from fused nitrates
阿部英樹* ; Ye, J.* ; 今井基晴* ; 吉井賢資 ; 松下明行* ; 北澤英明*
Journal of Crystal Growth 241(3), p.347-351(2002) ; (JAERI-J 19571)

 銀−鉛酸化物Ag5Pb2O6の単結晶をAg(NO3)とPb(NO3)2の混合溶融硝酸塩から常圧下で合成した.得られた結晶の結晶構造解析から,従来報告されているP31m構造を有することを確認した.これまでの本物質の合成は高圧酸素下で行われているが,硝酸塩の高い酸化力によって本物質が常圧下で合成されたものと考えられる.


310119
Preparation of epitaxial TiO2 films by PLD for photocatalyst applications
八巻徹也* ; 住田泰史* ; 山本春也 ; 宮下敦巳
Journal of Crystal Growth 237-239(Part1), p.574-579(2002) ; (JAERI-J 19763)

 本研究では,KrFエキシマーレーザー蒸着によってサファイア(0001)基板上に TiO2エピタキシャル膜を作製し,蒸着に用いるレーザーの強度を変化させたときの膜の結晶構造,表面形態について調べた.X線回折や顕微ラマン分光による分析結果から,(100)配向したルチル相に(001)配向のアナターゼ相がわずかに混合した膜が得られることを明らかにした.膜中における両相の混合比(アナターゼ/ルチル)はレーザー強度の減少とともに増大し,アナターゼ相の相対的な含有量を製膜条件で制御できることが示された.原子間力顕微鏡での観察によれば,最小のレーザー強度で作製した膜の表面は比較的大きな粒子から成りラフネスも大きかった.この膜は,その高いアナターゼ相含有量と大きな表面積によって,有機色素の光分解反応に対し高い活性を示した.


310216
Characterization of epitaxial TiO2 films prepared by pulsed laser deposition
山本春也 ; 住田泰史* ; 八巻徹也* ; 宮下敦巳 ; 楢本洋
Journal of Crystal Growth 237-239(Part1), p.569-573(2002) ; (JAERI-J 19846)

 二酸化チタン(TiO2)は優れた光触媒材料であり,触媒特性の大幅な向上にはルチル及びアナターゼ構造の高品質なエピタキシャル膜の作製が必要とされている.本研究では,レーザ蒸着法によりTiO2のエピタキシャル成長を試み,種々の基板と膜との結晶方位関係,基板温度と膜の結晶性の関係を明らかにすることを目的とした.TiO2薄膜試料は,低圧酸素雰囲気下でエキシマレーザ(ArF 193nm)を用いたレーザ蒸着法によりLaAlO3,LSAT,SrTiO3,YSZ, α-Al2O3などの単結晶基板上に約200nmの膜厚で作製した.TiO2薄膜は,X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法により構造評価を行った.その結果,基板温度が約500℃以上でアナターゼ構造の高品質なエピタキシャルTiO2(001)膜がLaAlO3(001), LSAT(001), SrTiO3(001)基板上に得られ,また,α-Al2O3(0001)及び(01-01)基板上には各々ルチル構造のTiO2(100)及びTiO2(001)膜が得られた.さらに光学的バンドギャップを評価し,アナターゼTiO2(001)膜で3.22eV,ルチルTiO2(100)膜で3.11eVの値を得た.


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