2002年度

Journal of Plasmas and Fusion Research SERIES


300846
Formation of internal transport barriers and its impact on the JT-60U plasmas
井手俊介 ; JT-60チーム
Journal of Plasma Fusion Research SERIES, Vol.4, p.99-105(2001) ; (JAERI-J 19324)

 JT-60U負磁気シアプラズマにおける内部輸送障壁(ITB)の特性と,それの構造と電流分布や径電場との関連について報告する.詳細な内容は,(1)低域混成波による外部電流駆動(LHCD)により電流分布を変えることによりITBの位置を変え閉じ込めを改善することができた.さらにN-NBIを組み合わせることにより,完全電流駆動と高閉じ込め(H98.y2=1.4)を高密度領域(0.82×nGW)で実現した.(2)接線NBIの組み合わせをかえることにより,入射トロイダルトルクの分布をかえた時にITB領域での温度勾配がかわることを示した.またこの時に,径電場にも変化があり,ITBの外側境界付近の径電場の空間微分の大小がITBでの温度勾配と相関があることを示した.


300906
Nonlinear destabilization of double tearing modes in reverced magnetic shear plasmas
石井康友 ; 安積正史 ; 岸本泰明
Journal of Plasma Fusion Research SERIES, Vol.4, p.271-275(2001) ; (JAERI-J 19372)

 これまでの研究で,ダブル・ティアリングモードには非線形不安定化領域が存在することを示したが,その機構は明らかでない.既知のティアリングモードの非線形不安定化機構としては,磁力線の乱雑化による異常抵抗や,有限磁気島幅に対する準線形化効果が知られている.しかし,本研究で得られた非線形不安定化機構はこれらの既知モデルでは説明できない.本研究では非線形不安定化機構に対して,電流の高次モードの存在が重要であることを明らかにした.また高次モードの空間構造を調べ,高次モードがおもに非線形結合によって生じ,かつ高次モードの作る電流が外側共鳴面近傍に局在化しモードを不安定化していることを示した.また,不安定化が共鳴面間距離Δrが大きい場合に生じること,及びΔrが増大するにつれて必要となるモード数が増大することから,この不安定性は磁気島の空間構造に依存すると考えられる.


300905
Active control of internal transport barrier and confinement database in JT-60U reversed shear plasma
坂本宜照 ; 滝塚知典 ; 白井浩 ; 藤田隆明 ; 鎌田裕 ; 井手俊介 ; 福田武司 ; 小出芳彦
Journal of Plasma Fusion Research SERIES, Vol.4, p.249-252(2001) ; (JAERI-J 19371)

 JT-60U負磁気シアプラズマに形成される内部輸送障壁に対するトロイダル回転の効果を調べ,その能動的制御法を開発するとともに,エネルギー閉じ込め比例則の構築を行った.単一方向のトロイダル運動量入射は内部輸送障壁を減衰させ,その後,自発的に再形成する遷移現象が観測された.一方バランス入射では内部輸送障壁を維持する.この結果を応用し単一放電内でトロイダル運動量の入射方向を変化させて,強力な内部輸送障壁を減衰させた後に再び強めて維持することに成功した.このとき径電場シア分布の変化が重要な役割を担っていることを明らかにした.またエネルギー閉じ込め比例則の構築によって内部輸送障壁を持つ負磁気シアプラズマの蓄積エネルギーは,内部輸送障壁足部位置のポロイダル磁場に強く依存していることを見いだすとともに,内部輸送障壁壁とポロイダルラーモア半径の比にも依存することを明らかにした.


300904
Edge structure in JT-60U high density H-mode plasmas
福田武司 ; 土屋勝彦 ; 波多江仰紀 ; 浦野創* ; 鎌田裕 ; 坂本宜照 ; 櫻井真治 ; 竹永秀信 ; 久保博孝 ; 朝倉伸幸 ; 藤田隆明 ; 滝塚知典
Journal of Plasma Fusion Research SERIES, Vol.4, p.243-248(2001) ; (JAERI-J 19370)

 高密度プラズマで優れた閉じ込め性能を維持することは,近年の重要な課題である.本研究では,高密度プラズマにおける周辺輸送障壁の構造形成と維持に注目した解析を行い,閉じ込め改善の鍵を握る電場の捩れが高密度プラズマでは弱くなること及びプラズマ周辺部の密度が平均密度に対して非線形的に増大して温度が低下する結果,同時にペデスタル幅(周辺輸送障壁の幅)が減少することを明らかにした.また,プラズマ周辺部の密度が輸送障壁の形成に直結することから,周辺輸送障壁の形成に必要な加熱入力が高密度プラズマでは顕著に増大することがわかった.さらに,高密度プラズマの周辺部における中性粒子密度の評価を行い,中性粒子が輸送障壁の形成条件及び維持のいずれにも直接的には関与しないことを明らかにした.そのほか,プラズマ内部における輸送障壁の制御によって周辺輸送障壁の形成を促進することができることを示した.


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