2002年度

第12回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2001)報文集


300700
NBI用負イオン源開発における高密度負イオンビーム長パルス生成実験
柏木美恵子* ; 雨宮亨* ; 伊賀尚* ; 井上多加志 ; 今井剛 ; 奥村義和 ; 高柳智弘* ; 花田磨砂也 ; 藤原幸雄 ; 森下卓俊* ; 渡邊和弘 ; Boilson, D.* ; Hemsworth, R.* ; Massmann, P.* ; Svensson, L.* ; DeEsch, H. P. L.*
第12回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2001)報文集, p.37-40(2001) ; (JAERI-J 19195)

 核融合プラズマの燃焼,電流駆動に不可欠な中性粒子入射装置(NBI)における負イオン源では,電流の高密度化,長パルス化が重要な開発項目である.日本原子力研究所ではセシウム添加型高密度負イオン源を開発し,仏国・カダラッシュ研究所との共同実験にて負イオンビーム長パルス加速実験を行った.この目的は,ITER-NBIに要求されている高密度負イオン電流(重水素で>20mA/cm2,水素負イオンで>28mA/cm2)の1000秒間加速を実証することである.セシウム効果を十分に得るため,フィルター磁場を最適化し,プラズマ電極温度を一定に保つことが可能な強制冷却型プラズマ電極を用いた.その結果,高密度水素負イオン電流30mA/cm2(80秒間)を得た.また水素負イオン18mA/cm2,重水素負イオン12mA/cm2で1000秒間の連続加速を達成した.


300699
セシウム添加型負イオン源における低ガス圧、高密度負イオンビームの生成
森下卓俊* ; 柏木美恵子* ; 奥村義和 ; 渡邊和弘 ; 花田磨砂也 ; 井上多加志 ; 今井剛
第12回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2001)報文集, p.33-36(2001) ; (JAERI-J 19194)

 大電流負イオンビームの生成は中性粒子(NB)入射装置の高効率化に向けて重要である.負イオンビームの静電加速段階では,残留中性粒子との衝突による負イオンの損失が高効率化の妨げとなるため,イオン源の運転ガス圧を低く抑える必要がある.また,イオン源にセシウム(Cs)を添加することで,負イオン生成が促進されることがわかっている.Cs添加イオン源では,低ガス圧下においてもイオン源内で高密度のプラズマの生成が必要であるため,イオンの閉じ込め効率の高いカマボコ型イオン源にCsを添加し,低ガス圧での大電流負イオンビーム生成実験を行った.生成された負イオンは電子との衝突反応により消滅するが,その反応断面積が電子温度に強く依存する.低ガス圧での放電では,負イオン生成領域の電子温度が高くなる傾向があるため,電子温度を負イオン生成に適した1eV程度まで下げる必要がある.そこで,電子温度を下げる働きをもつ磁気フィルターの強度を調節し,負イオン生成の最適化を行った.その結果,ガス圧0.1Pa,アーク放電パワー80kWにおいて,31mA/cm2,49keVの負イオンビーム生成に成功した.


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