2002年度

Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science


300592
Application of irradiated chitosan for fruit preservation
Lan, K. N.* ; Lam, N. D.* ; 長澤尚胤* ; 吉井文男 ; 久米民和
Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.289-290(2001) ; (JAERI-J 19123)

 照射キトサンを用いてコーティングすることにより,果実の保蔵期間の延長を試みた.本技術は,照射キトサンの抗カビ活性及び膜のガス透過性の変化を利用するものである.キトサンは粉末状態で25kGy照射することにより,フザリウム,ペニシリウム,アスペルギルスなどの糸状菌を抑制する活性が増大した.照射キトサンを用いて,マンゴー及びバナナの表面コーティングを行い,貯蔵試験を行った.いずれの果実においても,照射キトサンを用いたコーティングを行うことにより,糸状菌の発生抑制,ブラック・スポット発現の防止,良好な熟成による好ましい色と香りなどの食味,水分損失の抑制効果が認められた.これらの結果から,照射によって低粘度化したキトサンは,果実保蔵に適しコーティング剤として利用できるものと考えられた.


300591
Radiation degradation of chitosan and induction of biological activities
久米民和
Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.190-193(2001) ; (JAERI-J 19122)

 キトサンは,放射線処理により粉末・溶液いずれの状態でも容易に分解する.放射線分解したキトサンには,抗菌活性や植物の生育活性化などの新しい機能の発現が認められる.抗菌活性としては,細菌(大腸菌E.Coli)に対する作用が強いが,糸状菌抑制効果も発現する.植物に対しては,植物の自己防御機能(抗菌物質であるファイトアレキシンを誘導するエリシター活性)の増大が認められる.また,重金属(VやZnなど)による生育障害の抑制効果や植物の生育促進などの効果も認められる.これらの結果は,天然高分子であるキトサンの放射線分解により,農業や医療分野で利用できる新しい機能を誘導できることを示したものである.


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