2002年度

Theoretical and Applied Genetics


300565
Relationships among Nicotiana species revealed by the 5S rDNA spacer seguence and fluorescence in situ hybridization
北村智* ; 井上雅好* ; 鹿園直哉 ; 田中淳
Theoretical and Applied Genetics 103(5), p.678-686(2001) ; (JAERI-J 19096)

 タバコ属には染色体数の異なる多くの種が存在するため,その系統関係は極めて複雑であると考えられている.本研究では,18,20,24及び48本の染色体をもつタバコ野生種の系統類縁関係を明らかにするために,5SリボソームRNA遺伝子(5S rDNA)のスペーサー領域の塩基配列を解析した.18,20及び24本の染色体をもつ種においては,一種類の5S rDNAユニットが検出された.一方,48本の染色体をもつ種においては,二種類の5S rDNAユニットが検出され,その塩基配列から,これらの種が雑種由来の複二倍体であることがわかった.それぞれの種から単離した5S rDNA配列を比較することにより,塩基置換の頻度に基づいて3つの領域に分けることができた.5S rDNAのスペーサー領域の塩基置換パターンに基づいて系統分類学的解析を行った.幾つかの異なる理論法を適用することにより系統樹を作製し,すべてにおいて類似した結果が得られた.本研究で示された系統関係は,蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)により明らかにした5S rDNAの染色体上の分布パターンと一致していただけでなく,植物の外部形態などに基づいた現行のタバコ属植物の分類と矛盾のないものであった.


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