2002年度

日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題


300705
MCNPによるJMTR炉心γ加熱率の計算
長尾美春
日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.219-223(2002) ; (JAERI-J 19200)

 近年の軽水炉や核融合炉の材料についての照射試験においては,γ線による照射効果が着目されており,照射試料の温度予測の点からより正確なγ加熱率データが必要とされるなど,照射場特性としてγ線が重要視されるようになってきた.そこで,JMTR炉内のγ線分布に関し,モンテカルロ手法を用い,より高精度な評価の検討を開始した.モンテカルロコードMCNPにより計算したγ加熱率を入力として,温度計算コードGENGTCで計算した試料温度は,測定データに対して-20〜+10%の範囲であった.以上から,モンテカルロ手法を用いて3次元詳細モデルにより解析したγ加熱率データを用いて温度計算を行うことにより,照射試料の温度を実用的な精度で評価できる見通しが得られた.


300704
大強度陽子加速器計画の現状と研究構想
大山幸夫
日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.183-191(2001) ; (JAERI-J 19199)

 原研及び高エネルギー加速器研究機構(KEK)は共同して大強度陽子加速器計画施設の建設を進めている.本計画は,600MeV陽子リニアック,3GeV及び50GeV陽子シンクロトロン加速器群により作り出される陽子ビームを用いて,核変換実験施設,物質・生命科学実験施設(ミュオン実験施設,中性子散乱実験施設),原子核素粒子実験施設,ニュートリノ実験施設の建設を目指している.物質・生命科学実験施設における中性子利用では,減速した熱・冷中性子を用いた飛行時間法による広いQ-W領域における中性子散乱による物性研究・構造生物学研究,また,ミュオン実験では,mSR等ミュオンをプローブとして用いた物性研究等が計画されている.原子核・素粒子実験施設では,K中間子,π中間子等の2次ビームを用いて極限状態の原子核やストレンジネスを持つ原子核の研究が行われる.ニュートリノ実験では,現在つくばで行われているK2K実験より百倍強度の高いニュートリノを用いてニュートリノ振動や混合状態の精密測定が期待されている.核変換実験施設では,物理実験施設を用いて未臨界炉心の炉特性実験や制御実験を行うとともに,工学実験施設でターゲット・構造材料に関する照射実験や液体ターゲットシステムの実証試験を行う.


300703
モンテカルロ研究の将来構想
桜井淳
日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.61-64(2002) ; (JAERI-J 19198)

 日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は,1998.10-2000.09の2年間,モンテカルロ法に関わる現状調査及び研究課題の整理,モンテカルロ計算コード精度検証用ベンチマーク実験問題の検討,「モンテカルロ計算」夏季セミナーの開催,第2回モンテカルロシミュレーション研究会の開催準備等を実施した.その後,本委員会は2年間延長された.ここにこれまでの経緯と反省点,今後の課題及び方針(案)を示す.


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