2002年度

Corrosion


301203
Difference in corrosion fatigue behavior between Ti-5Ta alloy and zirconium in boiling nitric acid
本岡隆文 ; 木内清
Corrosion 58(8), p.703-709(2002) ; (JAERI-J 19617)

 硝酸に対して優れた耐食性を有するTi-5Ta合金とジルコニウムは,再処理機器材料に使用されている.しかし,ジルコニウムは応力腐食割れ感受性を有する.応力腐食割れが疲労亀裂成長に与える影響を明らかにするため,17%硝酸溶液中で,Ti-5Ta合金とジルコニウム の疲労亀裂成長挙動を調べた.Ti-5Ta合金は,硝酸中でも大気中とほとんど同じ亀裂成長挙動を示した.破面には,延性ストライエーションが見られた.ジルコニウムは,著しく硝酸中で亀裂が速く進展した.亀裂成長は,擬劈開と塑性変形が相互に関与した割れ形態に影響されていた.硝酸溶液中でのTi-5Ta合金とジルコニウムの疲労亀裂成長の違いは,すべり系と耐食性の違いによるものと考えられた.


300946
Corrosion fatigue growth of zirconium in boiling nitric acid
本岡隆文 ; 木内清
Corrosion 58(6), p.535-540(2002) ; (JAERI-J 19392)

 ジルコニウムの疲労亀裂成長挙動を,沸騰硝酸中と室温大気中で荷重制御下で研究した.大気中での疲労亀裂成長は金属組織に強く影響を受けた.これはジルコニウム特有のHCP構造に起因する機械的強度の異方性が原因であった.硝酸中では大気中に比べて約4倍亀裂成長が速かった.硝酸中では,亀裂成長は特徴的な機構で行われていることが破面観察からわかった.つまり,破面形態は,応力腐食割れ時に見られる擬劈開面と大気中で見られる疲労ストライエーションが混在したものであった.亀裂成長速度が低いところでは 擬劈開面が支配的であり,亀裂成長が速いところでは延性破面が支配的であった.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2002年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)