2002年度

Optics Express


310066
High energy second-harmonic generation of Nd:glass laser radiation with large aperture CsLiB6O10 crystals
桐山博光 ; 井上典洋* ; 山川考一
Optics Express 10(19), p.1028-1032(2002) ; (JAERI-J 19730)

 極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーのより高出力化を目的として高エネルギー・大口径Nd:ガラスレーザー光の波長変換器の開発を行った.本波長変換器は高エネルギーでかつ低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため,大型結晶の育成が容易で非線形光学定数の大きいCLBO結晶を採用した.本実験ではタイプII位相整合の30mm×30mmと大型CLBO結晶を2つ用い,直列に配置した.34-JのNd:ガラスレーザー光に対して25-Jの高グリーンエネルギーが得られた.370MW/cm2と低い入射レーザー光強度に対して74%の高い変換効率を得た.また,空間プロファイルはほぼフラットトップであり,チタンサファイア結晶の励起に適していることがわかった.


300984
Improved high-field laser characteristics of a diode-pumped Yb: LiYF4 crystal at low temperature
河仲準二 ; 山川考一 ; 西岡一* ; 植田憲一*
Optics Express 10(10), p.455-460(2002) ; (JAERI-J 19430)

 Yb系固体材料は量子効率が大きく,励起吸収波長が高出力半導体レーザーの発振波長帯(900nm帯)にある.加えて,Yb: YLF結晶は幅広い蛍光スペクトルを示すことから同材料を用いれば半導体レーザー直接励起による小型・高効率の超高ピーク出力レーザーの実現が制御できる.しかし,同材料は準3準位系であるため,高いレーザー利得を得るためにはレーザー下準位の再吸収を十分に飽和できる高強度励起が必要であり,現在入手できる半導体レーザーでこれを実現することは難しい.今回,Yb:YLF結晶を低温に冷却することにより結晶内の熱的エネルギー分布を能動的に変化させレーザー下準位の再吸収を劇的に減少させることで,半導体レーザー励起により室温時の10倍大きい21cm-1の高利得が得られることを実験により実証した.さらにレーザー利得スペクトル幅も室温時の2倍近い35nm(パルス幅40fs以下に相当)を得ることに成功した.これにより,低温Yb: YLF結晶を用いることで半導体レーザー直接励起による小型・高効率の超高ピーク出力レーザーの高い実現可能性を示した.さらに,同レーザーの実用化によりレーザーエンジニアだけでなく種々の研究者による応用研究,例えば小型X線源や超微細加工等を強力に推進できることを示唆した.


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