2002年度

平成13年度電気学会原子力研究資料(NE-01-13)


301183
トカマクプラズマ電磁気計測のための超広動作帯域・超低ドリフト長時間積分器開発
川俣陽一 ; 栗原研一 ; 米川出
平成13年度電気学会原子力研究資料(NE-01-13), p.25-30(2002) ; (JAERI-J 19607)

 トカマク装置における磁場測定はコイルを用いて磁場の微分を時間積分する方法で行われるため,ドリフトの少なく許容入力電圧が大きい積分器が不可欠となる.JT-60では電圧−周波数(V/F)変換器により入力電圧をパルス列信号に変換し,パルス数を積算する方式の積分器を3台並列とデジタル信号処理器を組み合わせ,超低ドリフトでかつ入力電圧範囲が大きい積分器システムを開発した.本システムのドリフト低減対策としては,(1)VF変換素子の温度を一定に保持する対策,(2)基準周波数を与えるオフセット電圧の変動を抑制する対策,(3)接地系からのノイズの影響を低減する対策等を行った.この結果,これらの対策かつ接地系の状態が良ければ,ドリフト速度約1.0(μVs/s)を得ることができ,ITERで要求される超低ドリフト積分器を実現した.また,入力電圧範囲を大きく取る対策として,同一の信号を入力電圧レンジの異なる3台のVF変換器に同時に取込み,デジタル信号処理器により入力レンジを超えてない最も入力レンジの小さなVF変換器の積分値を選択する方式により,高精度で入力電圧範囲が大きな積分器システムを実現した.この積分器をJT-60実験に適用して,ディスラプション時の大きな入力電圧があっても精度良く磁場測定ができることを確認した.


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