2002年度

検査技術


301257
ITERの遠隔保守技術
角舘聡 ; 柴沼清
検査技術 7(11), p.28-33(2002) ; (JAERI-J 19671)

 ITERは核融合反応時に発生する中性子により容器内構造物は放射化される.このため,ITER容器内構造物の保守が必要な場合には,ロボットによる遠隔保守が必要となる.ここでは,ITERの遠隔保守ロボット技術の代表例として,ブランケット保守用ロボットと冷却配管用溶接・切断・検査用ロボットについて述べる.ブランケット保守では,真空容器の回りから4点で支持されたリング状レールに沿って移動可能なロボットにより,ブランケットの保守を行うビークル型ロボットシステムを考案した.ブランケット保守の課題は,(1)駆動源を持たない単純構造レールの真空容器内への展開方法,(2)4tの大重量ブランケットを±2mm以内の高精度で位置あわせ可能なセンサー・フィードバック制御方法,(3)4tのブランケットの取り付け・取り外し時における急負荷・急除荷時における衝撃抑制方法である.これらの課題は,新たに開発した制御法等を実規模ロボットに適用し実証試験を行うことにより解決した.また,配管の溶接・切断では,曲がり管にも対応可能な光ファイバーをレーザービームの伝送系に採用し,しかも同一のロボットで溶接と切断が可能なYAGレーザーを用いた冷却配管の溶接・切断ロボットを開発した.本ロボットにより,母管外径100mm(曲げ半径400mm)で板厚6mm,枝管外径60mmで板厚3mmの溶接・切断試験を行った結果,良好な結果を得ることができ,配管用溶接・切断ロボットの成立性を実証した.


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