2002年度

Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM)


301286
Adjustment of total delayed neutron yields of 235U, 238U and 239Pu by using results of in-pile measurements of effective delayed neutron fraction
桜井健 ; 岡嶋成晃
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 12p.(2002) ; (JAERI-J 19700)

 積分データを用いる断面積調整手法をJENDL-3.2の235U, 238U, 239Puの遅発中性子収率の調整に適用し,収率の改善を行った.積分データとしては,高速炉臨界実験装置MASURCAとFCA及び熱中性子炉臨界実験装置TCA における合計6つの炉心で実施されたβeffベンチマーク実験の結果を用いた.調整は,JENDL-3.2ファイル中の各入射中性子エネルギー点で与えられている遅発中性子収率に対して行った.さらに,調整後の収率をテストするために,高速炉臨界実験装置ZPRで実施されたβeff実験の解析を行った.調整後の収率を用いることにより,βeff計算値の誤差が低減し,βeff計算値が実験値により良く一致するようになった.


301282
Design of small Reduced-Moderation Water Reactor (RMWR) with natural circulation cooling
大久保努 ; 鈴木元衛 ; 岩村公道 ; 竹田練三* ; 守屋公三明* ; 菅野実*
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 10p.(2002) ; (JAERI-J 19696)

 出力300MWe程度の小型低減速スペクトル炉(RMWR)概念の検討を進めている.炉心の設計としては,1を超える高転換比達成のために,高い炉心平均ボイド率のBWR型炉概念に基づいた稠密格子燃料棒配列を導入した.同時に,負のボイド反応度係数の達成も要求され,非常に扁平な短尺炉心概念採用した.この炉心の設計は,炉心の自然循環冷却を可能とするうえでも不可欠なものである.この炉心の設計で,60GWd/tの燃焼度と24ヶ月の運転サイクルも達成可能である.システムの設計としては,自然循環冷却に加え,受動的安全機能を採用してシステムの単純化を図ることを,プラントコストを低減させる基本的な方策とした.その例として,ポンプを使用する高圧注水系を受動的な蓄圧注水系に変更して,非常用ジーゼル発電機を削減することができ効果的にコスト低減を行った.これにより関連機器のコストを20%低減出来た.また,RMWRのMOX燃料のプルトニウム富化度は約30wt%で高燃焼度となるため,燃料安全評価を実施し,先ず熱的な成立性の観点から許容範囲内であるとの結果が得られた.


301285
Analysis of VENUS-2 MOX core measurements with a Monte Carlo code MVP
長家康展 ; 奥村啓介 ; 森貴正
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 10p.(2002) ; (JAERI-J 19699)

 連続エネルギーモンテカルロコードMVPを用いてVENUS-2 MOX炉心における測定実験解析を行った.VENUS-2炉心は十字型の炉心で,3つの炉心領域から構成されている.中央は3.3% UO2,周辺部内側領域は4.0% UO2,周辺外側領域にMOX燃料が装荷されている.計算体系ではこの炉心を忠実に模擬し,2億ヒストリーの計算を行った.用いた核データライブラリーはJENDL-3.2とENDF/B-VI release 5である.その結果得られたC/E値はそれぞれのライブラリーに対して1.00500,0.99793でよく実験値と一致したが,JENDL-3.2では若干過大評価することがわかった.燃料ピン出力分布では中央部の3.3% UO2燃料領域で実験値を過小評価し,周辺外側領域のMOX燃料で過大評価する傾向が見られ,ライブラリー依存性はないことがわかった.


301284
Benchmark results of burn-up calculation for LWR next generation fuels
奥村啓介 ; 宇根崎博信* ; 北田孝典* ; 佐治悦郎*
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 10p.(2002) ; (JAERI-J 19698)

 日本原子力研究所・炉物理研究委員会では,軽水炉次世代燃料に対する核特性の計算精度を検討するため,「軽水炉次世代燃料の炉物理ベンチマーク」を提案した.次世代燃料とは,UO2あるいはMOX燃料を用いたPWRまたはBWRにおいて70GWd/t程度の高燃焼度を目指すものであり,U-235濃縮度5%などといった現在の日本の燃料規制を超える核分裂性富化度を想定している.12の機関が異なるコードとデータを使用してベンチマーク問題の解析を行い,提出された結果を比較した.その結果,現在のデータと手法による解析精度の現状と今後検討すべき課題が明らかとなった.


301283
New acceleration method of source convergence for loosely coupled multi unit system by using matrix K calculation
黒石武* ; 野村靖
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 10p.(2002) ; (JAERI-J 19697)

 核分裂源分布の収束緩慢性を加速するため,マトリクスK計算が開発され,従来のモンテカルロ計算に導入されてきた.核分裂源が未収束であるモンテカルロ計算の途中段階において核的結合係数を近似的に求めることが出来れば,核分裂源行列方程式の固有ベクトルを用いて核分裂源を補正することにより加速が実施される.本論文では弱結合相互干渉系に対するマトリクスK計算の効果的な2つの適用手法,即ち,繰返し加速法とソース生成法を提案する.前者はマトリクスK計算による加速手順を単純に繰返すものであり,照射済みピンセル体系に対する計算結果は,臨界性を統計評価する上での信頼できる核分裂源を得るという十分な加速効果を示した.しかしながら,ある種の弱結合マルチユニット体系に対しては,ソースレベルの低いユニットが多数あるために,収束に至るための2回以上のマトリクスK計算を繰返す手順が実施できないかも知れない.後者は,このような場合に適用すべく新たに検討したものである.チェッカーボード燃料貯蔵ラック体系はそのような典型例の一つであり,計算結果により本手法の有効性が示された.


301281
Benchmark experiment for physics parameters of nitride fuel LMFBR at FCA
飯島進 ; 安藤真樹 ; 大井川宏之
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 9p.(2002) ; (JAERI-J 19695)

 FCAにおいて,窒化物燃料高速炉模擬実験を実施した.測定したNaボイド反応度価値やPu,B4C反応度価値をこれまでにFCAで実施した金属燃料及び酸化物燃料高速炉模擬実験の結果と比較するとともに,これらの炉物理量の計算精度を評価したベンチマーク試験を行った.計算はJENDL-3.2及び当研究グループで開発した高速炉炉物理特性計算コードシステムを用いて行った.Pu及びB4C反応度価値は,炉心間の相違は小さく,計算精度も良く似た傾向を示した.一方,Naボイド反応度価値は,窒化物燃料炉心の値が他の炉心のものと比べて小さくなる特性を示した.計算は10%程度の相違で,各炉心のNaボイド反応度価値を評価した.


301280
Burnup importance function and its application to OECD/NEA/BUC phase II-A and II-C models
奥野浩 ; 外池幸太郎 ; 酒井友宏*
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 8p.(2002) ; (JAERI-J 19694)

 燃焼の進展に伴い,軽水炉用燃料集合体の反応度は核分裂性核種の減損,特に軸方向中央部の減損により減少する.端部の反応度変化への重要性を描写するために,燃焼重要度関数を局所的な燃焼度変化の反応度減少への重みとして導入した.この関数をOECD/NEA/BUCのフェーズII-Aモデル(使用済PWR 燃料棒を表す)及び簡単化したフェーズII-Cモデル(局所的な燃焼変化による反応度変化を研究)に適用した.フェーズII-Aモデルへの適用は,端部の燃焼重要度が燃焼度あるいは冷却期間の増加に伴い増加することを明瞭に示した.異なる初期濃縮度での燃焼重要度を比較した.簡易化されたフェーズII-Cモデルへの適用の結果は,燃焼重要度関数が,平均燃焼度を一定にし燃焼度変化が最大・最小測定値の間であるという束縛条件下で最も反応度の高い燃焼分布を見い出すのに役立つことを示した.


301279
Nuclear characteristics evaluation for a supercritical experiment facility using low-enriched uranium solution fuel, TRACY
中島健
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 8p.(2002) ; (JAERI-J 19693)

 TRACYの実験データを用いて,臨界量,βeff/Λ比,ピーク出力,パルスのエネルギーといった核特性量の評価を行った.TRACYは,低濃縮の硝酸ウラニル水溶液を燃料とする超臨界炉であり,同装置により再処理施設のような核燃料処理施設における臨界事故を模擬できる.本評価では,臨界計算及び出力・エネルギーを評価するためのモデルの適用性について検討した.


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