2002年度

JETI


310284
排煙/排ガス中の揮発性有機化合物及びダイオキシンの除去・無害化技術
小嶋拓治
JETI 50(13), p.17-21(2002) ; (JAERI-J 19914)

 電子ビームを利用して原研で行った,大気中の揮発性有機化合物の分解除去研究及びダイオキシン分解技術開発の成果を紹介するとともに,放射線以外の除去/分解技術との比較,電子ビームの説明,及び電子ビームによる分解機構などについて解説した.ここで紹介した原研の成果は,以下である.(1)塩化エチレンなどエチレン系化合物では,数kGyで指数関数的に分解し濃度減少することがわかった.また,最初の分解で生じた塩素ラジカルを引金とする連鎖が起こり,CO及びCO2といった無機物にまで完全に分解出来ることを明らかにした.さらにアルカリ溶液処理と組み合わせることにより,低線量でも効率よく完全無害化できた.(2)芳香族化合物については,エチレン系とは異なり,いずれも吸収線量に対して直線的な濃度減少を示し,分解率はやや低く,粒子状物質(エアロゾル)を生じることを明らかにした.(3)実排煙に300keVの低エネルギー電子ビームを照射して行ったごみ燃焼排煙中ダイオキシンの分解試験の結果,14kGy以上で90%以上の分解率が達成できた.また,分解生成物の安全性も確認した.


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