2003年度

Bulletin of the Chemical Society of Japan


310824
Decomposition of phenolic endocrine disrupting chemicals by potassium permanganate and γ-ray irradiation
阿部康弘* ; 瀧上眞知子* ; 杉野公二* ; 田口光正 ; 小嶋拓治 ; 梅村智也* ; 角田欣一*
Bulletin of the Chemical Society of Japan 76(8), p.1681-1685(2003) ; (JAERI-J 20317)

 フェノール,ブチルフェノール(BuP),ビスフェノールA(BPA)等のフェノール系内分泌攪乱物質(P-EDCs)50μM水溶液の分解を過マンガン酸カリウム(KMnO4)を用いて行い,60Coγ線照射により生成したOHラジカルによるP-EDCsの分解と比較した.種々の有機酸及び無機炭素が,KMnO4及びOHラジカルによるP-EDCsの分解で生成した.KMnO4処理では,有機酸及び無機炭素は芳香族環の直接開裂で形成され,OHラジカル処理の場合にはOHラジカルの芳香族環への付加・置換反応に続く芳香族環の開裂により形成される.一方,BuP及びBPAを完全に取り除くために必要とされる電子数で分解効率の比較を行うと,KMnO4はOHラジカルとほぼ同等であったが,フェノールの100¥%分解では,KMnO4はOHラジカルの3倍量必要であった.しかし,フェノールを完全に有機酸及び無機炭素に変化させるために必要な電子数は720μMであり,両処理で同等であった.


310716
A New type of neptunyl(VI) hydroxide which is topologically similar to α-UO2(OH)2
中田正美 ; 北澤孝史* ; 斎藤孝* ; Wang, J.* ; 竹田満洲雄* ; 山下利之 ; 佐伯正克*
Bulletin of the Chemical Society of Japan 76(7), p.1375-1378(2003) ; (JAERI-J 20229)

 われわれは,ネプツニル(VI)化合物とウラニル(VI)化合物の相違を,水酸化物についてX線回折測定や237Npメスバウア分光法を用いて研究をおこなった.その際,新たなα-NpO2(OH)2が合成でき,X線回折測定及び237Npメスバウア分光測定をおこなったのでその結果を報告する.α-NpO2(OH)2は,orthorhombic型NpO2・H2Oを熱分解することにより得られた.X線回折測定をした結果,Npは8配位を持ったα-UO2(OH)2と同構造であることがわかった.237Npメスバウア分光測定をした結果,NpO2(OH)2・tH2O及びβ-NpO2(OH)と異なるスペクトルが得られた.237Npメスバウア分光法は,アイソマーシフトや四極子相互作用に関する物性情報とともに,区別が難しい化合物を区別することができる有効な測定法である.


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