2003年度

Physics of Plasmas


320213
Microislands in tokamaks
Mikhailovskii, A. B.* ; Kovalishen, E. A.* ; Shirokov, M. S.* ; Konovalov, S. V.* ; Tsypin, V. S.* ; Kamenets, F. F.* ; 小関隆久 ; 滝塚知典
Physics of Plasmas 11(2), p.666-676(2004) ; (JAERI-J 20736)

 高ポロイダルモード数でイオンラーマ半径より小さい幅の磁気島(微視的磁気島)を解析的に研究した.微視的磁気島の形状関数と回転周波数を二流体電磁流体力学に基づき求めた.微視的磁気島は二つの形状関数により表せる.一つは電場と摂動プラズマ密度を表し,もう一つは摂動電子温度を表す.微視的磁気島の回転周波数に関する問題点について議論した.


311053
Transport threshold model of subsonic neoclassical tearing modes in tokamaks
Mikhailovskii, A. B.* ; Shirokov, M. S.* ; Tsypin, V. S.* ; Konovalov, S.* ; 小関隆久 ; 滝塚知典 ; Galvao, R. M. 0.* ; Nascimento, I. C.*
Physics of Plasmas 10(10), p.3975-3983(2003) ; (JAERI-J 20504)

 トカマクにおける亜音速の新古典テアリングモード(NTM)の輸送閾値モデルを構築した.速度依存項を持つ一流体熱伝導方程式とプラズマ平行方向運動方程式を基礎式とする.揺動プラズマ温度とNTMの駆動ブートストラップ電流が,垂直方向熱輸送の大きい時と小さい時ともに,求められる.この亜音速のNTMの輸送閾値モデルは,従来の標準的なNTMの輸送閾値モデルに比べ,現実的なモデルである.


310858
Fluid treatment of convective-transport threshold model of neoclassical tearing modes in tokamaks
Mikhailovskii, A. B.* ; Shirokov, M. S.* ; Tsypin, V. S.* ; Konovalov, S. V.* ; 小関隆久 ; 滝塚知典 ; Galvao, R. M. 0.* ; Nascimento, I. C.*
Physics of Plasmas 10(9), p.3790-3792(2003) ; (JAERI-J 20351)

 トカマクにおける新古典テアリングモード(NTM)の対流輸送閾値モデルに関する流体的記述を展開した.垂直方向輸送モデルを付加したドリフト運動論的方程式からモーメント方程式一式を導出した.このモーメント方程式系の本質は,平行方向熱流束が圧力や温度と同等な立場になっていることである.提案されたモーメント方程式系をNTMのブートストラップ電流起動の解析に適用し,NTMの閾値モデルを導出した.このモデルは,初期的に直感的考察から導かれた対流輸送閾値モデルと定性的に一致している.


320212
Current point formation and magnetic reconnection process in nonlinearly destabilized double tearing modes
石井康友 ; 安積正史 ; 岸本泰明
Physics of Plasmas 10(9), p.3512-3520(2003) ; (JAERI-J 20735)

 負磁気シアプラズマで重要となるダブルティアリングモード(DTM)の非線形不安定化過程における電流点形成の詳細な過程と,その爆発的成長領域での役割を明らかにした.電流点形成は,これまでに知られている電流シートを伴った磁気再結合過程とは反対に,DTMの成長とともに磁気再結合領域に形成されるプラズマ電流の縦横比(逆アスペクト比)が増大することを初めて明らかにした.異なった抵抗値に対しては,形成される電流点の逆アスペクト比,絶対値が異なる.この性質が,爆発敵領域での非線形成長率の抵抗値非依存性の原因であることを明らかにした.さらに,トロイダル配位でのシミュレーションを行うことにより,乱雑磁場中においても,コヒーレントな電流点構造が形成・維持される可能性を示した.


310857
Effect of a ferromagnetic wall on low β tearing modes in the Japan atomic research institute fusion Torus-2 modified
Bakhtiari, M.* ; 安積正史 ; 都筑和泰 ; 神谷健作* ; 川島寿人 ; 草間義紀 ; 佐藤正泰 ; 星野克道 ; JFT-2Mグループ
Physics of Plasmas 10(8), p.3212-3216(2003) ; (JAERI-J 20350)

 テアリングモードの安定性に対する強磁性体の効果を研究するため,テアリングモード方程式を用い,フェライト鋼壁を考慮した条件で解析した.その結果,電流分布に依存する表面テアリングモードに対する強磁性体壁の影響は弱いことが明らかになった.


311054
Study of improved confinement modes with edge and/or internal transport barriers on the Japan Atomic Energy Research Institute Tokamak-60 Upgrade (JT-60U)
三浦幸俊 ; JT-60チーム
Physics of Plasmas 10(5), p.1809-1815(2003) ; (JAERI-J 20505)

 JT-60では,高βpHモードと負磁気シアプラズマにより,高閉じ込め,高自発電流割合の先進トカマク研究を推進している.その研究のゴールは,輸送障壁の形成あるいはその特性のパラメータ依存性を明らかにして一般化すると同時に,さらに閉じ込めを改善し安定に維持することである.境界輸送障壁の研究では,コア部が境界に影響して境界圧力を2倍以上にすることができること,内部輸送障壁の研究では,電流分布に応じて径電場シアによりその形成条件が異なることなどの研究結果を報告する.また,負磁気シアプラズマの極限状態では,平衡状態を保つために必要と考えられていたプラズマ電流がプラズマ中心近傍に存在しない状態(電流ホール)が安定に存在しうることに関して報告する.


310467
Stabilization of ion temperature gradient mode by small-scale zonal flows
Li, J.* ; 岸本泰明
Physics of Plasmas 10(3), p.683-688(2003) ; (JAERI-J 20033)

 巨視的スケールの乱流と微視的スケールのシア流間の相互作用は磁場閉じ込めプラズマにおける新しい研究課題となっている.本研究においては,このときの鍵となる相互作用が半巨視的スケールのイオン温度勾配(ITG)モードと電子温度勾配(ETG)モード乱流から生成された微視的スケールの帯状流を例題として取り上げている.微視的スケールの帯状流がITG乱流の径方向の非局所モード間結合をもたらすことを解析的に見出した.


310402
Generation of radial electric field induced by collisionless internal kink mode with density gradient
松本太郎 ; 徳田伸二 ; 岸本泰明 ; 内藤裕志*
Physics of Plasmas 10(1), p.195-203(2003) ; (JAERI-J 19980)

 高温プラズマにおける磁力線の再結合現象の要因として,温度上昇に伴い低減する電子の衝突による抵抗に加えて,温度に依存しない電子慣性などのプラズマの粒子性に起因する運動論的な効果が重要な役割を担うと考えられる.本研究ではプラズマ中における鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために,ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮した無衝突m=1モードのシミュレーションを行ってきた.完全磁気再結合過程は変化させない程度の密度勾配が,自己形成径電場,すなわちm=0モードを生成し,この径電場が二次再結合及び安全係数分布の時間発展等の完全再結合後の現象を大きく変化させることが明かにされた.径電場の成長メカニズムは,イオンと電子のE×Bドリフトの差異により説明され,その差異は磁場方向の電子の速い運動が引き起こしている.m=1モードによる対照的なフローにより,一度径電場が引き起こされると,m=0モードがm=1モードと同レベルまで成長し,イオン反磁性方向にE×Bプラズマ回転を駆動する.完全再結合後の密度及び電流分布,そして安全係数の最小値は,m=1及びm=0モードによる非対称フローによって大きく影響される.


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