2003年度

真空


310873
放射光リアルタイム光電子分光を用いた酸素ガスによるSi(001)表面の熱酸化初期過程の「その場」観察
吉越章隆 ; 盛谷浩右* ; 寺岡有殿
真空 46(5), p.424-428(2003) ; (JAERI-J 20366)

 Si(001)表面の酸素分子(1×10-4Pa)による初期熱酸化過程(表面温度: 870K〜1120K)を明らかにするために,放射光Si-2p及びO-1sリアルタイム光電子分光観察を行った.吸着酸素量の時間変化を反応速度論に基づいて解析し,酸素吸着量に対応したSi酸化状態をSi-2p光電子スペクトルの時間発展から明らかにした.


310698
D2/He混合ガスの室温連続分離実験
丹澤貞光 ; 廣木成治 ; 阿部哲也
真空 46(3), p.154-157(2003) ; (JAERI-J 20212)

 吸着剤を充填した配管中に混合ガスを通過させ,吸着親和力の違いによって通過速度に差が出現することを利用して,混合ガスを各成分ごとに分離し,そのガス成分を,バルブ操作によって適時抜き出すという方法を開発(連続循環クロマト法,Continuous Circulation Chromatograph method,C3法)し,それを軽水素とヘリウムの混合ガス分離に適用し,99%以上の純度で各成分に分離できることを報告した.今回は,本技術の核融合実燃料へ適用できることを実証するため,D2/Heの混合ガスを用いて実験を行ったので,その結果を報告する.


310483
全フッ素化化合物の連続循環ガスクロマトグラフによる分離基礎実験
丹澤貞光 ; 廣木成治 ; 阿部哲也 ; 二ツ木高志* ; 田嶋義宣*
真空 46(1), p.44-48(2003) ; (JAERI-J 20049)

 半導体製造工場では,ドライエッチング工程や薄膜形成工程などにおいて,全フッ素化化合物であるPFC(PerFluoroCompound)ガスを作業ガスとして使用している.PFCガスについては,地球温暖化防止を目的とした京都議定書の結果を踏まえ,自主的排出削減が半導体業界などで行われつつある.そのため,排出にあたっては種々の方法によって無害化処理が試みられているが,(1)完全に分離・無害化することは難しい,(2)回収再利用が難しい,(3)処理設備の建設費あるいは運転経費が非常に高くなる,という問題がある.筆者らは,これまで核融合炉の排気ガスを構成する未反応燃料成分(水素同位体)とヘリウム燃焼灰を選択的に分離し,未反応燃料成分を燃料として再利用することを目的として吸着材入分離カラムを用いた連続循環クロマト法(Continuous Circulation Chromatograph method,以下C3法と略記)を研究してきた.今回,このC3法を沸点が僅差(沸点差0.6K)のため,通常使われている深冷蒸留分離方式では分離が非常に困難といわれているCF4/NF3混合ガスに適用し両成分の選択分離を試みた.その結果,吸着剤として活性炭を充填した分離カラムを用いることによって,室温及び大気圧以下の条件下で各々99%以上の純度を持つCF4及びNF3に分離することができた.また同時に,連続分離処理を行うために必要な装置の運転制御用基礎データも取得した.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)