2003年度

Journal of Alloys and Compounds


310596
Structure, magnetism and transport of La2NiRuO6
吉井賢資 ; 阿部英樹* ; 水牧仁一朗* ; 谷田肇* ; 河村直己*
Journal of Alloys and Compounds 348(1-2), p.236-240(2003) ; (JAERI-J 20131)

 ニッケル−ルテニウム酸化物La2NiRuO6の構造・磁性・電気伝導について調べた.過去の文献では,本物質の結晶構造は単斜晶P21/nと斜方晶Pnmaの2つの異なった構造が報告されている.本研究でのリートベルト解析は,結晶構造はRu4+イオンとNi2+イオンが整列配置した単斜晶P21/nを支持した.結晶の対称性は低いが,RuO6及びNiO6八面体におけるO-Ru-O及びO-Ni-O角度はいずれもほぼ90度であり,理想的な八面体構造に近い.このことは放射光吸収分光からも示唆された.したがって,結晶構造の低対称性はNi-O-Ru角度が150度と小さいことに起因すると考えられる.電気抵抗測定からは,本物質は常温以下で絶縁体的であり,Ni3d軌道のバンド幅が狭いことを反映していると考えられる.直流磁化及び交流帯磁率測定からは20Kに反強磁性的な磁気転移が観測された.


310357
Magnetic behavior of CeTi1-xVxO3
吉井賢資 ; 阿部英樹*
Journal of Alloys and Compounds 343(1-2), p.199-203(2002) ; (JAERI-J 19935)

 ペロブスカイトCeTi1-xVxO3の構造と磁性について調べた(0≦x≦1).x=0及びx=1の系は,いずれも斜方晶Pnma構造を有し,Ti及びVスピンが反強磁性転移を起こすことが知られている.本系の結晶構造は0≦x≦1の範囲で斜方晶Pnmaであった.また,磁化測定から,磁化及び磁気転移温度ともにx=0.5付近で最小となることがわかった.これら混晶試料に対するAC帯磁率測定から,低温において,スピングラスあるいはクラスターガラスといったランダム状態が発生していることがわかった.これは既報の類似系LaV1-xMnxO3での結果と本質的に同じである.


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