2003年度

Journal of Solid State Chemistry


320105
Correlation of crystal structures with electric field gradients in the fluorite- and pyrochlore-type compounds in the Gd2O3-ZrO2 system
Wang, J.* ; 音部治幹 ; 中村彰夫 ; 竹田満洲雄*
Journal of Solid State Chemistry 176(1), p.105-110(2003) ; (JAERI-J 20639)

 メスバウア分光法及び粉末X線回折法,点電荷モデルによる計算を用いて,蛍石型及びパイロクロア型構造を持つGdxZr1-xO2-x/2(0.18<x<0.62)の結晶構造とGd周りの電場勾配の相関を調べた.理想的なパイロクロア構造(x=0.5)の時,四極子結合係数は特徴的に最大になることがわかった.また,点電荷モデルによる計算と電場勾配を比較することにより,提案されているパイロクロア構造を基礎にした構造モデルの有効性を検討した.


310657
Structure and magnetism of Eu1-xDyxTiO3
吉井賢資 ; 水牧仁一朗* ; 中村彰夫 ; 阿部英樹*
Journal of Solid State Chemistry 171(1-2), p.345-348(2003) ; (JAERI-J 20171)

 Eu1-xDyxTiO3の構造と磁性について調べた.x=0及びx=1の酸化物は共に絶縁体であり,おのおの6Kでの反強磁性及び64Kでの強磁性を示す.結晶構造はx<0.4では正方晶,それより大きいxでは斜方晶であった.混晶領域では金属強磁性の発現が見られ,これはx=0及び1の系とまったく異なる性質である.これは,Ti伝導電子を介する希土類モーメント間の相互作用による強磁性であると推測した.また,Euイオンの原子価は酸化物では珍しい2+であることが磁化測定からわかった.発表では一部の試料における放射光吸収分光データについても触れる.


310838
Structural and electronic investigation of TbPdAl by means of EXAFS and XANES measurements
水牧仁一朗* ; 吉井賢資 ; 北澤英明* ; 谷田肇*
Journal of Solid State Chemistry 171(1-2), p.291-294(2003) ; (JAERI-J 20331)

 希土類金属間化合物TbPdAlは六方晶構造または斜方晶構造を有する.前者の構造を有する場合,ネール温度43Kと22Kに2段反強磁性転移を示し,かつ,100K近傍において同一の空間群を保ちながら構造相転移を起こすことが知られている.本研究では放射光を用いた吸収分光測定により,本系の性質について調べた.TbのL3吸収端のEXAFS測定からは,上記の100K転移近傍においてTb周囲の結合長さに変化が見られた.また,TbのL3吸収端XANESスペクトルは温度変化を示さないのに対し,PdのK吸収端XANESスペクトルはわずかに温度変化を示した.これは100K相転移がPdの電子構造変化に起因することを示唆する.


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