2003年度

Physical Review A


320203
Ionization of many-electron atoms by ultrafast laser pulses with peak intensities greater than 1019 W/cm2
山川考一 ; 赤羽温 ; 福田祐仁* ; 青山誠 ; 井上典洋* ; 上田英樹*
Physical Review A 68(6), p.065403_1-065403_4(2003) ; (JAERI-J 20726)

 光量子科学研究センターでは,高強度場科学と呼ばれる新しい光量子科学分野におけるさまざまな基礎・応用研究を目的に,極短パルス・超高ピーク出力Tキューブレーザーの開発を進めてきた.われわれは,既に開発に成功したピーク出力100TW,パルス幅20fsのチタンサファイアレーザー光を希ガス原子に集光し,トンネルイオン化過程により生成する多価イオンを飛行時間分解型質量分析器によって計測することにより,相対論効果が顕著となる集光照射強度2.6x1019W/cm2において,アルゴンの16価,クリプトンの19価,キセノンの26価を観測した.こうして生成したイオンは,これまで光電界のみでイオン化した場合の最高価数である.また,得られた実験結果を従来のトンネルイオン化モデルと比較し,相対論的レーザー場が初期段階のトンネルイオン化確率にほとんど影響を与えないことを初めて明らかにした.


310850
Optimized energetic particle emissions from Xe clusters in intense laser fields
福田祐仁* ; 山川考一 ; 赤羽温 ; 青山誠* ; 井上典洋* ; 上田英樹* ; 岸本泰明
Physical Review A 67(6), p.061201_1-061201_4(2003) ; (JAERI-J 20343)

 高強度レーザーとXeクラスターとの相互作用によって発生する高エネルギー粒子(多価イオン,電子)のエネルギー分布及び価数分布を測定した.その結果,高強度レーザーの特性(パルス幅,チャープ)を制御することによって,高エネルギー粒子放出過程を最適化できることを見いだした.


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