2003年度

波紋


310415
構造生物学; X線と中性子の相補性
新村信雄* ; 茶竹俊行*
波紋 13(1), p.47-50(2003) ; (JAERI-J 19993)

 構造生物学におけるX線と中性子の相補性については中性子構造生物学を特徴付けるため補足的に書かれる場合が多く,記述は断片的である.ここではX線と中性子の相補性だけに焦点を絞って系統的に書いてある.まず,プローブ特性の違いからくる実験技術に関係する相違,次に,中性子がX線に比べて最も特徴的なことは,水素原子が観測しやすいことであり,X線と中性子で水素原子を観測する際の相違を個別的かつ系統的に議論してみる.最も大きな差異としては,線束の強度差と水素原子の散乱能がある.X線は中性子に比べて強度が強いので,ハイスループットでの蛋白質立体構造決定に適している.一方,中性子は強度は弱いが,水素原子を高精度で見ることが可能であるので,蛋白質の精密構造解析に適している.


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