2003年度

Nuclear Engineering and Design


311043
Assessment of irradiation temperature stability of the first irradiation testi rig in the HTTR
柴田大受 ; 菊地孝行 ; 宮本智司* ; 小倉一知*
Nuclear Engineering and Design 223(2), p.133-143(2003) ; (JAERI-J 20494)

 高温工学試験研究炉(HTTR)は,様々な照射試験のために高温で大きな照射空間を提供することができる.HTTRの最初の照射設備としてI-I型材料照射試験用設備が開発された.これは,ステンレス鋼の照射下クリープ試験を標準サイズの大型試験片を用いて実施するためのものである.この設備では照射温度制御に炉内の高温の雰囲気を利用する設計としており,照射温度は550℃と600℃で±3℃の変動範囲で実施することを目標としている.本研究は,試験片の照射温度の安定性を解析的及び実験的手法により評価したものである.まず,過渡状態における試験片温度の変化を有限要素法(FEM)により解析し,次にモックアップを用いて温度制御性を実験的に検証した.さらに,得られた結果をHTTRの出力上昇試験で測定された炉内黒鉛構造物の温度変化特性と比較検討した.その結果,I-I型材料照射試験用設備の温度制御方法が,安定な照射試験を実施するうえで有効であることを示した.


310662
Indirect air cooling techniques for control rod drives in the high temperature engineering test reactor
竹田武司 ; 橘幸男
Nuclear Engineering and Design 223(1), p.25-40(2003) ; (JAERI-J 20176)

 HTTR(高温工学試験研究炉)の16対の制御棒は反応度変化を制御するため用いられる.HTTRは日本初の高温ガス炉であり,原子炉出口ガス温度は950℃,熱出力は30MWである.原子炉圧力容器の上部に取り付けられている制御棒用スタンドパイプには,制御棒駆動装置が1個ずつ収納されている.制御棒駆動装置の温度が180℃を越える場合,電磁クラッチの電気絶縁性が低下し,制御棒駆動装置が正常に機能しない恐れがある.31本のスタンドパイプはスタンドパイプ室に林立しており,中央にある制御棒用スタンドパイプを効果的に冷却すべきである.そこで,適切な空気吹出しノズルと空気吸込口を有する1対のリング状ダクトを介して,空気の強制循環により制御棒駆動部を間接的に冷却することとした.解析結果に基づくリング状ダクトをスタンドパイプ室に据え付けた.HTTRの出力上昇試験の評価結果から,全出力運転及びスクラム時において,制御棒用スタンドパイプ内の電磁クラッチ及びその回りのヘリウムガス雰囲気温度はそれぞれ180℃,75℃を下回ることが明らかになった.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)