2003年度

Applied Physics A


310352
Proposal for a chopper spectrometer with very high energy resolution
大山研司* ; 伊藤晋一* ; 大友季哉* ; 長壁豊隆 ; 鈴木淳市 ; 松田雅昌 ; 桑原慶太郎* ; 新井正敏*
Applied Physics A 74(Suppl.1), p.S1598-S1600(2002) ; (JAERI-J 19930)

 パルス中性子源に設置されるチョッパー型非弾性散乱中性子分光器に対して,その分解能の計算をモンテカルロシミュレーションにより行った.その結果,大強度陽子加速器計画(原研−KEK統合計画)における非結合型液体水素中性子モデレーターにダブルフェルミチョッパーを組み合わせた場合,0.1%のエネルギー分解能を達成できることが明らかになった.


310351
Magnetic P-T phase diagram and magnetic structures of CeSb
長壁豊隆 ; Hannan, A.* ; 舘紀秀* ; 神木正史* ; 北澤英明*
Applied Physics A 74(Suppl.1), p.S799-S801(2002) ; (JAERI-J 19929)

 CeSbについては,フランスのグループによる中性子回折により2GPa以下の詳細な磁気相図が報告されていた.一方,東大物性研グループにより,約2GPa以上で,60K以下の温度で電気抵抗の巨大な増強が報告されていた.本研究は,この圧力誘起の巨大電気抵抗が生じる領域での磁気秩序の有無を調べること,また,フランスのグループの中性子回折実験と東大物性研グループの電気抵抗との間で,2GPa付近にある磁気相図のギャップを解決することを主な目的とした.新開発したサファイアアンビル高圧セルを使用した中性子回折実験の結果,電気抵抗の増大とともにAF-I反強磁性相が発達し,電気抵抗の急激な減少と一致して,AF-IA反強磁性相が発達することが明らかになった.またわれわれの結果は,電気抵抗の相図と良く一致し,フランスグループの結果に間違いがある可能性を示すものであった.


310641
Crystal distortion and magnetic structure of γ-MnPt alloys
堀富栄* ; 土屋佳則* ; 白石洗* ; 石井慶信 ; 北條喜一
Applied Physics A 74(Suppl.1), p.S743-S745(2002) ; (JAERI-J 20155)

 γ-MnPt合金の結晶変位(歪み)と磁気感受性に関してX線及び中性子散乱解析手法を用いて調べた.その結果,8at.%Pt合金は,各軸の単位長さa=3.807,b=3.748,c=3.685Åを有する面心斜方晶構造を示し,10Kでnon-collinear非磁性構造を持つことがわかった.また,450Kでc/a<1構造を持った斜方晶に構造変化し,ニール温度近傍の510K最終的に立方晶に変化することを明らかにした.さらに,12at.%Pt合金は,10Kでc/a>1でμ=2.58μB/Mn特性を有する面心正方晶構造を示し,325Kで立方晶に変化することを明らかにした.


310350
High-pressure magnetic phase diagram of CeP studied by neutron diffraction
Hannan, A.* ; 長壁豊隆 ; 神木正史* ; 岩佐和晃*
Applied Physics A 74(Suppl.1), p.S565-S567(2002) ; (JAERI-J 19928)

 CePはこれまでの研究により,1.7GPa以下で加圧に対する磁気構造の系統的変化(磁気相図)が明らかにされていた.一方,磁性中金属相が約6GPa以上で非磁性金属相になることが知られている.本研究ではCePの1.7GPa以上の磁気相図を明らかにし,どのような過程を経て非磁性金属相へ移り変わるかを調べることを目的とした.新開発したサファイアアンビル高圧セルを使用した中性子回折実験の結果,加圧とともに,4°構造(↑↑oo↑↑oo),2+構造(↑↑↓↓oo↑↑),3*構造(↑↑o↓↓o↑↑)という中間相を経て,2.5GPa以上で単純な強磁性相へと変化することが明らかになった.これらの構造は常圧のCeSbの構造と同一または類似の構造であり,Ceモノプニクタイド系の磁性がキャリアー数(価電子帯Pホール数)を1つの基本的な物理パラメータとするモデルで統一的に理解されるという考えを支持する結果となった.


310914
A Large-angle cold-neutron bender using sequential garland reflections
鈴木淳市 ; 田崎誠司* ; 曽山和彦 ; 海老澤徹*
Applied Physics A 74(Suppl.1), p.S308-S310(2002) ; (JAERI-J 20397)

 連続的な中性子の多重反射を利用した新しいベンダーを開発し性能評価を行った.その結果,大きな角度分散を持つビームを大角度で取り出すことに成功した.このベンダーは,定常原子炉のみならず,パルス中性子源に設置することにより,より高い性能を与えることを示す.


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