2003年度

原子力eye


310680
イオンビームによる新しい品種改良技術
渡辺宏* ; 田中淳
原子力eye 49(5), p.22-25(2003) ; (JAERI-J 20194)

 昨年,イオンビーム育種技術で作出されたカーネーション(原研とキリンビール)とキク(原研と農業生物資源研究所)の新花色品種が実用化され,またバーベナ(理研とサントリー)の新品種も商品化された.カーネーションについては,イオンビームによる新しい品種改良技術を用いて実用化を達成した業績に対して,日本工業新聞の先端技術大賞が授与された.実用化に踏み出したこのイオンビーム育種技術の特徴について解析するとともに,遺伝子組換え技術に代わる我が国独自の育種技術として注目されてきている本技術をとりまく最近の動向について紹介した.


310477
金属容器内を流れる沸騰流を中性子線で測定・観察
呉田昌俊
原子力eye 49(4), p.34-37(2003) ; (JAERI-J 20043)

 研究用原子炉の中性子線を用いて,これまで見ることができなかった金属容器内を流れる沸騰流の挙動を1/1000秒ごとに測定・観察する技術を開発した.本誌では,開発の背景,技術の概要,測定・観察例,今後の展開と応用例を紹介する.本技術は,水冷却増殖炉の炉心体系でボイド率を測定し,観察するために開発を進めているもので,中性子線で沸騰流の変化を測定できるところに最大の特徴がある.開発した技術は,高速度撮影による中性子ラジオグラフィ熱流動計測技術であり,中性子源として研究用原子炉JRR-3Mを用いている.本誌では,蒸気泡の発達過程を1/1125秒ごとに捉えた結果や,低減速軽水炉の炉心を模擬した試験体の中の冷却水の挙動を調べた結果を紹介する.


320124
次世代自動車排ガス触媒; インテリジェント機能とその構造
水木純一郎 ; 西畑保雄 ; 田中裕久*
原子力eye 49(3), p.36-39(2003) ; (JAERI-J 20658)

 永遠の命を持つ新しい自動車触媒機能とその結晶構造との関係を明らかにし,これからの自動車排ガス触媒の開発指針を提供した.自動車排ガス触媒は,高温化での酸化性・還元性環境の揺らぎの中に晒されており,このため触媒機能が時間とともに低下していた.しかし,今回開発した触媒は,環境変動に応じて結晶構造を変え,これによって触媒機能が永久に保たれることが明らかとなった.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)