2003年度

Journal of Physical Chemistry, B


320102
Effects of hydration on the induction of strand breaks, base lesions, and clustered damage in DNA films by α-radiation
横谷明徳 ; Cunniffe, S. M. T.* ; Stevens, D. L.* ; O'Neill, P.*
Journal of Physical Chemistry B 107(3), p.832-837(2003) ; (JAERI-J 20636)

 相対湿度を制御した条件下で,プラスミドDNAに対してα線を照射した後,FpgとNthという二つの塩基除去修復酵素をプローブとして用いて,DNAの鎖切断,塩基損傷及びこれらを含むクラスター損傷の収率を測定した.相対湿度を0〜98%まで変えることで,DNAに配位している水和水の量を,5〜38分子/ヌクレオチドまで変えることができるため,α線のDNA損傷に与える水和水の効果を調べることができる.得られた結果は,鎖切断に関してはγ線照射の場合のそれとほとんど同じであったのに対して,酵素処理により検出される塩基損傷はほとんど観測されなかった.以上の結果から,高LET放射線であるα線により,DNA修復酵素が修復できないような複雑なクラスター損傷が生成している可能性が示された.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)