2003年度

Journal of Molecular Structure (Theochem)


310730
Impact of the 8-oxoguanine on B-DNA molecule; Molecular dynamics study
Pinak, M.
Journal of Molecular Structure (THEOCHEM) 583(1-3), p.189-197(2002) ; (JAERI-J 20243)

 突然変異に関与する酸化DNA損傷8-オキソグアニン(8-oxoG)の局部的な構造とエネルギーへの影響を,分子動力学(MD)シミュレーションによって調べた.8-oxoGを15塩基対のB-DNAの中央に位置するグアニンと置換した系で,計算コードAMBER5.0を用いて2nsのMDシミュレーションを行った.損傷部分では,水素結合の崩壊が生じB-DNA構造が部分的にゆがむことが観測された.8-oxoGの向かいの(対をなす)シトシンに隣接するアデニンは,DNA二重らせんからはじき出されることがわかった.この構造の変化が,修復酵素が損傷DNAと結合する上で好都合であると推測される.また,DNA構造の不安定性は,8-oxoGを含むヌクレオチドと隣のヌクレオチドとの間の強い静電的な斥力により生じることことが示された.


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