2003年度

Nuclear Physics A


310845
Non-diffractive processes and status of OZI-rule in ω and φ-meson photoproduction
Titov, A. I.*
Nuclear Physics A 721, p.747c-750c(2003) ; (JAERI-J 20338)

 大きな運動量移行において,φ中間子光発生の主な寄与は共鳴チャネルから来る.ω中間子とφ中間子光発生機構を解明したところ,これらの中間子発生はφNNカップリングにおいてのOZI則が強く破れて起こることがわかった.スピン偏極量はこの効果にきわめて敏感な測定量であることがわかった.このスビン偏極量は共鳴を取り扱う理論モデルの正しさを検証する有力な武器となる.


310844
Neutron capture cross section to 186Re isomeric state
早川岳人 ; 静間俊行 ; 山内俊彦 ; 峰原英介 ; 有澤孝
Nuclear Physics A 718, p.665c-667c(2003) ; (JAERI-J 20337)

 186Reには20万年の長い半減期の核異性体が存在する.185Reの中性子照射によって186Re核異性体が生成されるはずであるが,その絶対値測定は行われていなかった.そこで,東海研原子炉JRR-4を用いてRe金属薄膜に熱中性子を6時間照射した.4ヶ月の冷却期間後に,186Re核異性体からβ崩壊にともなって放出されるγ線を測定することで中性子捕獲断面積の測定を行った.この中性子捕獲断面積は,重元素合成過程において重要であり,187Os-187Re原子核宇宙時計への寄与が問題になる.この測定によって,186Re核異性体経由の寄与は186Osの存在量の1パーセント以下であることを明らかにした.


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